小田急合作 完成しました

徹夜続きの年末になってしまいました・・・

 

どうも、ゆっけりんです。

告知から9ヶ月。

yukkerin.hatenablog.com

ついに!小田急合作が完成しました!!!


【音MAD】小田急合作2020

 

この大規模合作を完成させることができたのは、参加者の皆様、ひいては副主催のゆりがおか氏に多大なるご尽力をいただいたおかげだと切に感じます。本当にありがとうございました。

ここからは個人的な話をします。私にとって小田急合作への参加はひとつの夢でした。本合作以前に制作した13の作品(合作含む)のうち7つが小田急作品であることからも分かるように、小田急にはやはり特別な思い入れがあります。それだけ小田急に魅せられ続けた中で、「小田急合作がないなら自分が開こう」と思い立ち、今年3月に小田急合作の主催をしようと決意しました。

初めての合作主催。右も左も分からず、本当に大変でした。何とか投稿することができましたが、私の不手際で様々な方にご迷惑をおかけしてしまいました。この場をお借りしてお詫び申し上げます。

 

私自身、今後は合作主催をすることはないと思います。理由は様々ありますが、激務だったこと、前述のように不手際をしてしまったことが大きな理由です。改めて、合作主催をされている方々への敬意が生まれました。今後合作に参加する機会があれば、主催の方にご迷惑をおかけすることのないよう、しっかりとした対応をさせていただきたいと思います。

 

ご覧いただきありがとうございました。

SaphirDanseuse投稿に関して

まあ終始gdgdでしたけど。

なんとか、死ぬ前に産み出すことができました。


【MAD】SaphirDanseuse サフィール・ダンセーズ

 

既に多数のお褒めの言葉をいただいており、こちらとしてはただただ恐縮するばかりです。本当に完成させることができて良かったです。

いろいろ書きたいことがあるのですが、それは後々の制作記にて存分に書くこととして、ここでは1つだけ。

ニコニコの主コメのところでも書いた通り、今の僕は当時の川端康成と同じ年齢(本当は1個上ですが、まだ誕生日を迎えてないので)なんですが、実はそれ以外に1つ大きな共通点があります。

それは「疫病」

1918年、世界を不安と恐怖の渦に陥れたインフルエンザ感染症(またの名を「スペイン風邪」)は、国民の栄養状態が粗悪だった当時の日本においても例外なく猛威を振るいました。日本での累計の死者は40万人程度だったとも言われています。特に大流行したのは1918年10月~翌年2月でした。当時一高の超エリートだった川端康成は、こんな時代に一人で旅行を始めたのです。

言いたいことは分かると思います。102年後の今年、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっています。日本では諸外国に比して小規模な感染拡大であると言われていますが、これから本格的に流行のシーズンを迎えていくとも言われています。不安と閉塞感で押しつぶされそうな日々ですが、そんな時でも日常を日常として歩んでいかなければなりません。

そんな時代に、こんな作品があったら?

この作品は、そういう裏テーマを含んでいます。川端康成が伊豆を旅して「旅情が身についた」と感じたように、今私たちも伊豆を旅して、いや伊豆を旅せずともこういう作品を見て、聞いて、旅情を身につけることが出来たら。

少しでも皆さんの癒しになればそれ以上のことはない。心からそう思います。この作品を見て、「今すぐ伊豆に行こう!」または、今すぐでなくても「いつかは伊豆に行こう!」、そう思ってくれる方が1人でもいれば、私は音MAD作者になって良かったと実感します。

 

それでは皆さん、お体を大切にしてお過ごしください。新作「SaphirDanseuse サフィール・ダンセーズ」ぜひマイリスト・いいね・広告/高評価・チャンネル登録のほど、よろしくお願いします。

My Journeyシリーズをどうしていくべきか?

どうもゆっけりんです。

前回の更新(小田急合作開催のお知らせ)から間が空いてしまいましたが、この間にもいろいろなことがありました。もうめちゃくちゃです。こんな情勢でもつよいメンタルを持って生きていきたいものです。

 

今回はMy Journeyシリーズについてです。そんなシリーズ知らねえよという方が大半だと思います。具体的には以下の2作品のことです。

soundcloud.com

 

簡単に言えば私的レールスターでしょうか、でも2つの作品はちょっと趣向が違いすぎる感じもします。前者は複数回の旅行で録ったものをかき集めた作品、後者は一回の旅行で録ったものをフルに使っている作品なので。無理やりシリーズ化した?と言われればそうかも。

 

でも意外や意外、地味に人気があるのがこのシリーズだったりします。特に前者は音雲で31いいねをいただいており、非常に嬉しい。何より原曲「Journey」が非常に良い曲なんですよね。

soundcloud.com

そう、この曲を知るきっかけになったのが以下のMVです。

私はオリジナリティがまるでないような人間なので、動画制作に行き詰まると他の方々の動画を漁りまくる(そしてそれを「オマージュ」する)悪癖があるのですが、その中で見つけたのがこの作品だったと思います。鉄道とMGの融合が素晴らしい作品です。

 

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小田急合作2020 開催のお知らせ

どうも、ゆっけりんです。

 

かねてよりお伝えしている通り、この度小田急合作を主催させていただくこととなりました。

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 青二才の私がこのような重要な役割を担うのは大変恐縮なのですが、 やるからには精一杯、合作運営に尽力させていただきたいと思います。参加者の皆さんはどうぞよろしくお願いいたします。

以下に合作の要旨を記載します。

・対象 : 小田急グループ交通系素材全般(詳しくはWikiをご覧ください。)

・募集締切:2020年3月31日(火) 23:59*1

・投稿予定:2020年12月31日(木) 20:00

 

おかげさまで、本合作は既に多くの参加申請をいただいており、主催として大変嬉しく存じます。しかし、募集枠にはまだ残りがございます。また募集締切まであと1週間と時間もございますので、小田急に興味をお持ちの方は是非、参加をご検討いただければ幸いです。詳しくは上記Wikiをご覧ください。
皆さんの参加をお待ちしております!

 

 

*1:最大催行人数である25名(組)に達した場合はその時点で締め切らせていただきます。

2020年 抱負

Cities:Skylinesに1日を溶かしたいこの頃です。

 

どうも、ゆっけりんです。

前記事で述べた通り、未だに2020年の抱負を語っていません。今回はそれについていろいろと話していこうと思います。その前に、まずは2019年の反省から。

2019年の反省

去年の抱負は「単作を8本出す」でした。結果...

5本。

 

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やっぱり無理でした。ごめんなさい。

 

しかし大きく飛躍した1年だったと思っています。理由は3つ。

・去年投稿した作品のうち、2つの作品がマイリスト100以上を達成したこと

・去年投稿した作品のうち、1つの作品が再生数10,000以上を達成したこと

・大規模合作に参加したこと

ちなみに、初投稿の「Super Zama Za-ma」も去年になって100マイリスを達成しているので、去年は非常にメモリアルな1年になったといえます。途中下車は伸びると楽しいですし何よりモチベになりますからね。

 

2020年の抱負

それを受けて、2020年はどうしていくかという話です。2020年も下車を作って然るべきところに投稿するという行動パターン自体は変わらないと思いますが、何を目標として作るか、という部分を決めていきたいと思います。

 2020年の抱負は、

「多様性のあるものをつくる」

です。

この「多様性」というワードは、別に下車だけに限った話ではありません。物事を一極で捉えるのではなく、俯瞰で捉える。これをテーマに、2020年は創作していきたいと思います。

 

さいごに

乱筆乱文失礼しました。ここで新たな抱負を立てたことにより、やっと2020年が始まったという気がします。今年の抱負は具体的なものではありませんが、ひとつひとつの創作において、着実に達成していきたいと思います。ありがとうございました。

 

 

「途中下車イントロクイズ」答え合わせ

花粉で目をやられがちなこの頃であります。

 

どうも、ゆっけりんです。一時期に比べだいぶ暖かくなり、花粉の飛散量も多くなってきました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。最近は感染症も心配なので、しっかりと予防をしていきたいと思います。

さて、ちょうど1週間前の2月15日にクイズメーカーに投稿した「途中下車イントロクイズ」がPV数1450、プレイ回数313*1と想像を大きく超える反響を呼びました!!!憧れの下車作者の方々にもプレイしていただきました。正直ここまでの反響は予測していなかったのでびっくりです。本当にありがとうございます。。。特に難易度設定に苦慮したのですが、各問題の正解率のバランスも良く、成功といっても良い出来になったのではないかと感じています。

ということで、下車の活動に関して前回の「大変な途中下車シリーズ」を統計する 前編 - 私立英翼高校裏掲示板に次いで大きな反響をいただいたので、クイズメーカーだけではなくブログの記事にまとめて残そうと思います。この記事では、主に「途中下車イントロクイズ」の答え合わせと講評を行いたいと思います。

その前に、クイズを作るにあたって意識したことを箇条書きで記しておきます。

・正解不正解問わず、全ての選択肢が被らないようにすること

・正解はそれぞれ違う作者の作品にすること

・出題する作品の地域が偏りすぎないようにすること(おおよそ関東関西7:それ以外3のイメージ)

・正解の番号を適度に振り分けること

・出題する作品は単作7:合作3くらいにすること

 

それでは、本題に入っていきます。

quiz-maker.site

 

凡例

Q1-10:各作品のイントロ部分を出題しています。

正解:その問題の正解です。

正解率:現時点(2月22日)での正解率です。

解説:イントロクイズに付随した作品解説です。

コメント:現時点(2月22日)での私のコメントです。

 

Q1:氷河特急はイギリスです。谷は、氷河でおおわれていました。
溶け出して……
レマン湖ができたのです。
それはもう我慢の限界でした。
レマン湖の裂け目の中を水は流れる
レマン湖(が)チキュウの温暖化でこれまでない速さで◯っています。

正解:【合作】私色*Railway Serenade

www.nicovideo.jp

正解率:74.5%

解説:2016年に投稿された合作、【合作】私色*Railway Serenadeの氷河特急パートより。氷河特急はスイスの観光特急であり、搭載されている日本語放送も至って真面目な内容であるが、このパートでは卑猥なことを言ってるようにしか聞こえない。その強烈なインパクトから、途中下車屈指の迷パートとして有名である。この合作の最初から3番目のパートであるというのも面白いポイント。

コメント:実はこの問題は10問の中で最後に作った問題です。私鉄合作はQ3の不正解の選択肢に入れていたのですが、急遽クイズの「つかみ」として1問目に持ってくることにしました。「最低」「もはや伝説」など、ボロクソに言われることが多い当パートですが、こういう下ネタが下車の歴史を作ってきた側面もあると思うので、僕個人としては非常に好きなパートの1つです。また正解率が10問の中で2番目に高く、このパートが視聴者に与えたインパクトの大きさが伺えます。

 

Q2:ドアァ↓ ドアァ↑ ドアァ↓ ドアァ↑
ドアァ↓ドアァ↓ドアァ↓ドアァ↓ドアァ↑ドアァ↑閉まります!

正解: 中央・総武線 天国と地獄(jubeat)

www.nicovideo.jp

正解率:71.3%

解説:2009年に投稿された、中央・総武線(各駅停車)の作品。「JR1番お客2番」「ドアラしばきます!」など、多くの名言を生んだ不朽の名作。音合わせが本格的であり、音程やリズムの精度が非常に高い。新宿、秋葉原など文化の発信地を走る中央・総武線を象徴するような作品である。

コメント:中1の頃よく聞いていました。いろいろと賑やかなので、眠気覚ましに使っていた時期もあります。本当に大好きな音MADでした。当時の僕はiPod touchの第4世代を使っていたのですが、これが今のスマホとは比べ物にならないくらい端末のスペックが低く、この動画の1:25からの弾幕のところで必ずニコニコアプリが落ちるので常にコメントをオフにしていた記憶があります。当時のことはあまり思い出せないのですが、この動画の印象だけは強く残っています。いい思い出です。「ドアァ」と「閉まります!」しか問題に書いてないのに正解率が70%を超えるのは、この作品が本当によく見られてることの証左だなと感じます。

 

Q3:おまたせいったしましたー
まもなく電車が到着いたします
危ないですから下がっちゃってー
おー待ちください 江ノ島

正解:【合作】TRAINMAD’s 6(江ノ電パート)

www.nicovideo.jp

正解率:69.4%

解説:2018年に投稿された合作、TRAINMAD’s 6の江ノ島電鉄パートより。音MAD界の重鎮の方が担当されたパートということでも話題となった。特に後半にかけての盛り上がりは、全てを投げ出してでも江の島に行きたいという欲を掻き立たせてくれる。

コメント:2018年の鉄道の日。衝撃でしたね。一瞬でこの合作に魅入りました。多分招待制合作だと思うんですが、音声も動画も上手な人しかいなくて恐ろしかったですね。特にこのパートは影莉央氏が制作されたということで大変驚愕しました。24秒の中にあれだけの魅力を詰め込めるのは、経験豊富な音MAD作者の方しか成し得ない技術だなと思います。何度も何度もリピートしてしまうパートです。

この合作が投稿されてから2週間後、実際に江の島に行っています。江の島、良いところですよ。皆さんも行っちゃってーしましょう。

 

Q4:ただただいま2番のりばにに 到着到着の電車はっはは
おお折り返ししかえ(し)かかえかえし 六地蔵行きでございごっざいます

正解:【Second Heaven】 Second Subway京都市営地下鉄東西線

www.nicovideo.jp

正解率:73.6%

解説:2010年に投稿された、京都市営地下鉄東西線・京阪京津線の作品。東西線全通の2年後に投稿された。セリフ合わせが非常に洗練されており、現在でもなお新しさを感じることができる名作。またフルスクリーンホームドアの路線は列車が撮りづらいため画像・動画素材に難儀しやすいが、地上の画像なども使うことによって見る人を飽きさせない工夫が施されている。

コメント:全ての下車の基本がこの作品に詰まっていると思います。音合わせ、セリフ合わせ、ネタの入れ方、テキスト・画像の動かし方、動画の使い方。そして何より、原曲の雰囲気と素材の雰囲気が合致していますよね。まさに下車の教科書だと思います。自分の作風に迷ったら、まず見に行きたい作品かもしれません。

 

Q5:The local train departing at 17:48 bound for Sakurajima will be leaving from track 2. It is composed of 8 cars.

正解:Osaka Scramble!

nicovideo.jp

正解率:59.4%

解説:2016年に投稿された、JR大阪環状線の作品(一部他路線を含む)。2015年より流行していたOshama Scramble!の音MADであるが、その流行を下車界隈に持ち込んだのがこの作品である。作品自体のクオリティの高さも去ることながら、文化的な側面から見ても非常に意義の大きい作品。

コメント:ちょっと趣向を変えて、英語の問題を出題してみました。イントロ部分が英語なのはKinmosa Scramble! - ニコニコ動画の影響を色濃く受けていると思うのですが、これを環状線の男声英語放送で再現したという所にMizkoKT氏の発想力を感じます。ネタのバランスがちょうどよく、大阪を知らない人でも聞きやすいのが大きな特徴です。また作品を通じてオレンジ色よりにカラーグレーディングされており、これが「ラインカラー」「投稿時期*2」「原曲の雰囲気」の全てに大きく合致しているのが素晴らしいところです。伸びる下車は、こういう「イメージの合致」が多いですね。

 

Q6:まもなままもまままもなもまもなく
1番ホーホホホームーにー
真駒内行きがー到着しーます
白線よーりー 下がって お待ちください

正解:サッポロ・ゲーム

www.nicovideo.jp

正解率:59.1%

解説:2015年に投稿された、札幌市営地下鉄南北線の作品。3D表現が多く取り入られており、動画に奥行きがあるのが大きな特徴。同時期に投稿された「LOVE Y.R.P」と合わせて、途中下車におけるMG(モーショングラッフィック)の立ち位置を大きく飛躍させた作品である。

コメント:関東と関西に作品が偏ってしまうのは良くないと思ったので、ここで北海道の作品も入れました。この作品の驚くべきポイントは、殆ど実写素材がないことです。それまでの下車は静止画や動画にテキストを載せるか、または静止画や動画のみのスタイルが殆どでしたが、ここでいわゆる「MG派」が起こったことにより、その後の下車にMGを使った動画表現が見られるようになりました。恥ずかしながら私も非常に初歩的なMGを一部の動画に取り入れているので、この動画の影響を知らず知らずの間に受けているのだと感じています。

 

Q7:ご案内いたします この列車は18時55分に発車します
寝台特急サンライズ出雲号 東京行です
また恐れ入りますが 反対列車が少々遅れております
信号が出しだい発車いたします 車内でお待ちください

正解:アスノヨゾラ出雲班

www.nicovideo.jp

正解率:75.8%

解説:2018年に投稿された、日本唯一の定期寝台特急列車サンライズ瀬戸・出雲の作品。同日投稿の「Sunvidia」とともにサンライズの20周年を記念して制作された。サンライズは「朝」「夜明け」をイメージした列車として有名であるが、この作品の原曲もそういったイメージの曲であり、これらのイメージが合致したことで非常に大きな感動が生まれている。途中下車屈指の名作として、界隈の内外問わず評価が高い。

コメント:これだけ旅情を誘える音MADもないでしょう。間違いなく途中下車屈指の名作だと思います。最も高い正解率がその証左ではないでしょうか。

下車黎明期には依然、多くの寝台特急が残っていました。それが10年で「あと1本」になってしまうのですから、時代の移り変わりとは怖いものです。サンライズももう20周年を迎え、そろそろ老朽化が心配な時期に差し掛かってきます。この作品を見てから、今のうちに乗っておかないと...と常々思います。一応沼津からも乗れますしね。

 

Q8:まっまままもなく まもまもまもなく
いっいいいちばん いちばんせんに
おりおりおおおっおおおりかえし
かっかかかくえきててい↑しゃ↓
しっしし新宿 新宿行が 
短い8両編成到着 白線内側お待ちください

正解:Shinjukus【動画版】

www.nicovideo.jp

正解率:57.2%

解説:2014年に投稿された、都営地下鉄新宿線の作品。とにかく音合わせが素晴らしく、原曲の抑揚とともに作品の疾走感も大きく変わるというのが大きな特徴。動画の素材量も多く、また先進的な映像表現が多く取り入れられている。都営新宿線が下車有数の名路線となったきっかけと言える作品である。

コメント:この作品は青葉急行氏の実質デビュー作だと思うのですが、既に氏の動画スタイルが確立されているのが凄いと感じます。地下鉄特有の音の反響または暗さを音MADに昇華させる、そのセンスがとび抜けて素晴らしいですね。このスタイルは多くの下車作者に影響を与え続けているのではないでしょうか。

余談です。都営地下鉄は個性的で面白い鉄道だと思っていたのですが、英語放送がアレになりましたね。アレならまだvoicetextの英語放送のが良いと思います。

 

Q9:名古屋 名古屋です
ご乗車ありがとうございました
東海道線 中央線 関西線と
名鉄 近鉄 あおなみ 地下鉄線はお乗り換え

正解:ステーション・オブ・ナゴヤ

www.nicovideo.jp

正解率:66.5%

解説:2019年に投稿された、JR名古屋駅の作品。この作品の驚くべきところは、3分14秒間の全てが名古屋駅の素材でできているというところである。圧倒的素材量と下車界随一のセリフ合わせ、音合わせが聞いている人の心を動かしてくる。臨時列車関連の素材量も豊富で、ラストスパートの詰め込みが凄まじい。これでも入りきらなかったという(主コメ参照)ことなので驚愕である。

コメント:2019年の下車12周年祭は過去有数に盛り上がった周年祭だと思いますが、その中で最もマイリストが多い*3作品がこの作品です。先に選択肢に挙げた「ステーション・オブ・オオサカ」に影響を受けているのかなと思います。まあ何といっても豊富な素材量、そしてそれをすべて違和感のないようにつなぎ合わせる技術。心から愛がないとできない技だと思います。圧倒されっぱなしの3分間です。

 

Q10:負けないこと 投げ出さないこと 逃げ出さないこと 信じ抜くこと

正解:地下鉄合作2017 〜Subway Collaboration(千日前線パート)

www.nicovideo.jp

正解率:51.7%

解説:地下鉄合作2017 〜Subway Collaborationの大阪市営地下鉄(現・Osaka Metro)千日前線パートより。元ネタは大事MANブラザーズの「それが大事」。当時「民営化」という過渡期を迎えていた大阪市営地下鉄に対するメッセージとしても受け取られ、当合作の中でも屈指の名パートとして多くの人々の記憶に残った。

コメント:この問題は10問の中で1番初めに作った問題です。本当はつかみにしたかったのですが、少し難しすぎるかなと思ったのでやめました。一般人からしたら「それが大事」のサビにしか聞こえないフレーズですが、下車界隈では非常に有名で、度々名パートとして挙げられていた記憶があります。ただ僕も最初は勘違いしていて、兵庫県合作の西神・山手線パートとばかり思っていたのですが、調べていくうちにこういう背景があったのだと分かりました。民営化されてまもなく2年が経ちますが、顔認証改札機導入や全駅ホームドア導入など、日本の最先端を行く鉄道システムの構築が計画されているので、大阪の未来をつくる鉄道として大いに期待したいところです。

 

さいごに

ここまでご覧いただきありがとうございました。普段は泡沫作者の身ですが、統計やクイズを通して多くの人と触れ合えるというのが非常に良い体験だと感じました。下車を見る・作るだけでない、新しい楽しみ方を日々思案していきたいと思います。それでは。

*1:2020/2/22 4:30現在。

*2:11月末。紅葉の時期。

*3:2020/2/22現在。

「大変な途中下車シリーズ」を統計する 前編

 

あけましておめでとうございます。

 

どうもゆっけりんです。皆さんは「大変な途中下車シリーズ」の存在をご存知でしょうか。今年で14年目に突入する大変な途中下車シリーズですが、これまで投稿された動画の総数はなんと8,330件*1にのぼります(2020/1/11現在)。

僕自身も、大変な途中下車シリーズと大きな関わりがあります。大変な途中下車シリーズを見始めて今年で9年*2(!)、作者になって2年が経ちました。その中で、「大変な途中下車シリーズがどのような変遷を遂げて来たのか」という点に大きな興味を持つようになり、ついにこの記事を書くに至りました。題して『「大変な途中下車シリーズ」を統計する』です。かなり壮大なタイトルで大変恐縮ではありますが... 面白いデータをたくさんまとめてきましたので、ぜひくつろぎながら、お暇な時間にでも見ていただけたら幸いです。

 

関連リンク

bayrin.hatenadiary.jp

sokai-rdg.hatenablog.com

 

※データ集計にあたって「ニコニコ超検索│ごくりん.info」様を使わせていただきました。サイトを運営されているごくりん様にはこの場をお借りして感謝申し上げます。

 ※以下「途中下車」「下車」は「大変な途中下車シリーズ」のことを指します。

※この記事は特定の動画を贔屓したり、称賛したりすることを目的としていません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

 

 「大変な途中下車シリーズ」の定義

本題に入る前に、まず大変な途中下車シリーズの定義について調べました。

大変な途中下車シリーズは、IOSYSによる東方アレンジ「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」と鉄道を組み合わせたMAD動画に付けられるタグである。後述の経緯によりシリーズ名称の定義と使用範囲が拡大したことで、現在では鉄道音MADの実質的な統一タグとして認知されている。

(中略)

JR東日本は大変な放送を流していきました β版exit_nicovideo』をブームの発端とする鉄道MADシリーズの1ジャンルである。

派生タグも多数存在しており、使用曲ごとの個別タグや、 「大変な○○シリーズ」、「○○な途中下車シリーズ」といった名称のタグが多く用いられる傾向にある。「途中下車」の単語が含まれている鉄道関連タグも少なくない。

(中略)

シリーズタグとしての「大変な途中下車シリーズ」は複雑な経緯を辿っている。

名称はIOSYSの東方アレンジ曲「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」に由来しており、当初は盗んでいきましたシリーズ×鉄道の使用曲別タグであった(ただし、この組み合わせは上記の作品以前に2作品が存在する)。後に「患部で止まってすぐ溶ける」や「えふおーいーとのそうぐう」など、他のIOSYSソングも使用されるようになると、「大変な途中下車シリーズ」はIOSYS×鉄道のまとまりとされるようになる。

引用:大変な途中下車シリーズとは (タイヘンナトチュウゲシャシリーズとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

このように、もともとは「魔理沙は大変なものを盗んでいきました×鉄道」という組み合わせのMAD動画につけられるタグでした。ここでいうMADとは音MADだけではなく、PV系MADや替え歌系の動画も含みます。

以下に大変な途中下車シリーズの定義の変遷をまとめました。

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このように、現在では「大変な途中下車シリーズ」=「鉄道音MAD」という図式が成り立っていますが、少なくとも2008年以前は必ずしも成り立つというものではありませんでした。大変な途中下車シリーズの変遷を追っていく上で、このことには大きく注意する必要がありそうです。

当記事では、特にことわりがない場合は「大変な途中下車シリーズ」が「鉄道音MAD」を意味するものとして、話を進めていきます。

 

 音MADの中の「大変な途中下車シリーズ」

音MADの中では異端の扱いを受けている大変な途中下車シリーズ。バステイシリーズと同じく、作者自身がオフラインで取材・素材収集をするほぼ唯一の音MADジャンル、といっても過言ではないと思いますが、途中下車というジャンルが全音MADのうちどれくらいの割合を占めているのでしょうか?

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 ※2020/1/11現在。

このグラフでいう「全音MAD」とは「音MAD or 大変な途中下車シリーズ」でタグ検索をしたものです。(音MADのみでタグ検索をしない理由は後述)また、「大変な途中下車シリーズ」とは「大変な途中下車シリーズ」でタグ検索をしたものです。
ニコニコ動画の黎明期は38%と非常に高い値を示していますが、以降は概ね低下傾向となり、2012年以降はほぼ8%~10%で推移しています。また古くなるほど動画が少なくなるのは、音MADの動画に「音MAD」タグをつける文化がなかったこと、または2008年7月に起こった「ニコニコMAD終焉祭」の影響が少なからずあったということが理由として考えられます。(参考:MAD削除問題とは (マッドサクジョモンダイとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

 

もっと詳しく見てみましょう。

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引用:

音MADの12年間のトレンドを探ってみた (1) - 爽快・楽しくなる動画(別館)

 これは音MAD関連動画の「素材」のうち上位10位のタグを表したものです。ただし、ここでいう音MAD関連動画は「音MAD or 音声MAD or 音系MAD」でキーワード検索をし、さらにタグ「歌ってみた」が除外されたものであるという点に注意してください。これによると、大変な途中下車シリーズは音MADで3番目によく使われる素材であることが分かります。さらに8位には「鉄道」がランクインしています。前述のとおり、現在では「鉄道音MAD」=「大変な途中下車シリーズ」であるため、項目としては重複していますね。どちらにしろ、鉄道が音MADに与える影響はかなり大きそうです。

このことから、以下のことを考察しました。

・途中下車(=鉄道)は、淫夢クッキー☆に次ぐ音MAD界3番手のコンテンツである。

・さらに、「音MAD or 音声MAD or 音系MAD」のキーワードを含めず、「大変な途中下車シリーズタグ」がついている動画の存在も考えると、大変な途中下車シリーズは音MAD界において最大規模のコンテンツである*3

先ほどの『音MADの中の「大変な途中下車シリーズ」』のグラフで「全音MAD」を『「音MAD or 大変な途中下車シリーズ」でタグ検索をしたもの』とした理由は、上の動画の存在によるものです。

・「大変な途中下車シリーズ」の動画の中には「音MAD」タグをつけない動画が相当数存在している*4

 

「 大変な途中下車シリーズ」の変遷

次は「大変な途中下車シリーズ」自身についてです。時代の流れとともに大きな変化を見せてきた途中下車ですが、その変化についてはこれまであまり公にされることがありませんでした。途中下車が一体どのような変遷を遂げてきたのか、以下のグラフをご覧ください。

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 ※2020/1/11現在。「再生数1万」とは再生数1万回以上の動画を、「マイリスト100」とはマイリスト100件以上の動画をそれぞれ指す。

大変な途中下車シリーズの年別動画数は2011年に一度ピークを迎えた後2013年まで減少しましたが、その翌年から現在に至るまで増加を続けています。これは上に示した通り音MAD全体の流れと同じですが、全体では2012年に一度ピークを迎えた後2014年まで減少しているので、下車の方が減少と再増加のタイミングが1年早い形となっています。再生数1万回以上の動画とマイリスト100件以上の動画については年によってばらつきが大きいものの、どちらも2016年が最も多くなっています。また2009年以降、再生数1万回以上の動画とマイリスト100件以上の動画の増減のタイミングはほぼ同じとなっています。

このことから、以下のことを考察しました。

・2007年と2008年の動画が少ないのは、音MAD全体の流れと同じく、途中下車の動画に「大変な途中下車シリーズ」タグをつける文化がなかったこと、または2008年7月に起こった「ニコニコMAD終焉祭」の影響が少なからずあったということが理由として考えられる。

・2018年と2019年の再生数1万回以上の動画とマイリスト100件以上の動画が他の年に比べて著しく少ないのは、年月がまだ経っていないからということが挙げられる。直近2年間の動画の評価については、もう少し待つ必要があると考える。

・再生数1万回以上の動画とマイリスト100件以上の動画はどちらも2016年が最も多いことから、現時点で大変な途中下車シリーズの全盛期は2016年であると言える。

いかがでしたでしょうか。あくまで数字上の話であり実態については不明瞭な点も多いですが、下車の全盛期は2000年代ではなくたった4年前の2016年であるという考察をしました。では、2016年に何が起こったのか。みなさんもよくお分かりでしょう。

RED_WINGリスペクトシリーズの流行です*5。2016年に投稿された770件の途中下車のうち134件(17.4%)の動画がRED ZONEを原曲としたものでしたが、そのうちなんと33件もの動画が再生数1万回以上、17件の動画がマイリスト100件以上となり*6RED_WINGリスペクトシリーズ含むTRAIN_ZONEシリーズ*7は下車界きっての大ヒットシリーズになりました。このシリーズについて、機会があれば別記事で述べたいと思います。

ここからは、再生時間、コメント、再生数、マイリストという4つの要素に分けて、大変な途中下車シリーズの変遷について紐解いていきたいと思います。

 

「大変な途中下車シリーズ」と再生時間

大変な途中下車シリーズの再生時間は、おおむね原曲の長さに依存します。先に挙げた「RED_WINGリスペクトシリーズ」は約30秒と比較的短く、こういった30秒ほどの作品はいわゆる「雛形MAD」として認知されています。一方、単作、合作の違いによっても再生時間は変わり、特に合作の方は大人数になればなるほど再生時間が長くなっていきます。どのくらいの長さの下車が主流なのか、以下にまとめたのでご覧ください。

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 ※2020/1/4現在。再生時間5:01以上の動画は429件(5.1%)。
これは「大変な途中下車シリーズ」の動画を再生時間10秒ごとの階級にわけたものです。やはり0:31-0:40の階級が一番多くなっていますが、それと匹敵するほど多いのが1:41-1:50の階級です。もっと広く見ると、0:21-0:50と1:41-2:10の二大巨頭となっています。逆に、0:51-1:30はかなり数が落ち込んでおり、0:21-0:50と1:41-2:10との差が鮮明になっています。再生時間で言えば0:21-0:50と1:41-2:10の2つが下車の主流と言えそうです。

 

 以下に大変な途中下車シリーズと全音MADの比較をまとめたので、ご覧ください。

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 ※2020/1/4現在。「大変な途中下車シリーズ」のうち再生時間5:01以上の動画は429件(5.2%)。「全音MAD」は「音MAD or 大変な途中下車シリーズ」でタグ検索をしたもの。「全音MAD」のうち再生時間5:01以上の動画は3696件(4.7%)。
やはり音MAD全体で見ても0:31-0:40の動画の割合が一番大きいですね。しかし、下車だけの場合に比べて全音MADの場合は0:51-1:30の割合の落ち込みが浅くなっている反面、3:01以上の動画が少なくなっています。この違いは下車特有のものだ、ということが言えそうです。

 再生時間がコメント数、再生数やマイリスト数とどのように関わっているのかについては、機会があれば別動画でまとめたいと思います。

 

「大変な途中下車シリーズ」と再生数

 YouTubeニコニコ動画をはじめとする動画投稿サイトにおいて、最も重要な要素が「再生数」。動画の「伸び」を最もよく表す要素といって言って良いでしょう。音MADの再生数に関する議論はこれまで幾度となく交わされていましたが、個人的には、自分の創作物を一般に公開するからには重要視すべき指標なのかなという風に感じています。下車の再生数の分布がどのようになっているのか、以下にまとめたのでご覧ください。

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  ※2020/1/7現在。再生数10,001以上の動画は723件(8.7%)。

これは「大変な途中下車シリーズ」の動画を再生数100ごとの階級にわけたものです。再生数500-600の動画が最も多く、それよりも上の動画は再生数が増えていくにつれて動画数が指数関数的に減少しているのが分かります。

 

 以下に大変な途中下車シリーズと全音MADの比較をまとめたので、ご覧ください。

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※「大変な途中下車シリーズ」は2020/1/7現在で、再生数10,001以上の動画は723件(8.7%)。「全音MAD」は「音MAD or 大変な途中下車シリーズ」でタグ検索をしたもの。「全音MAD」は2020/1/9現在で、再生数10,001以上の動画は17,247件(21.9%)。

重ねてみると少しわかりにくいかもしれませんが、やはり傾向がはっきり分かれています。音MAD全体で見ても再生数500-1000の動画の割合が大きく、それよりも上の動画の割合は再生数が増えていくにつれて指数関数的に減少していくという状況は同じです。しかし、再生数6000以下のほぼすべての階級で全音MADより大変な途中下車シリーズの方が割合が大きくなっています。その分、全音MADより大変な途中下車シリーズの方が再生数10001以上の動画の割合が小さくなっています。つまり、下車は音MAD全体よりも再生数が少なくなりやすい傾向にある=下車は相対的に伸びにくいということが言えます。

 

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はっきりと結果が出ましたね。下車は相対的に伸びにくい。その理由はやはり「鉄道」というジャンルが一般受けしない、マイナーなものであるから。という一点に集約されるでしょう。規模は大きいものの、視聴者が限定されるという点でかなりコアなコンテンツであるということが言えそうです。

 

また、再生数分布の年別推移についても載せておきます。

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 ※2020/1/11現在。

前者は「大変な途中下車シリーズ」の動画を再生数2000ごとの階級にわけ、その年別推移を表したものです。後者は各階級の割合の年別推移を示したものです。

先のグラフで示した通り、2007年から2019年にかけて年別動画数が激増していますが、その中でも最も増加した階級が0-2000の階級であることが明らかに分かります。しかし割合で見ると、2011年では63%だったのが2016年には35%まで落ちています。その後は特に顕著な増加をしており、2019年は80%となっています。反面、10001以上の階級は絶対数が増えないため、割合が年々小さくなっているということも分かります。このグラフを見て、2016年以降年々再生数が伸びにくくなっているという見方もできます。しかし、これは年月が経っていないことによる影響が大きそうなので、直近3年のデータについてはもう少し評価を待つ必要がありそうです。

 

「大変な途中下車シリーズ」とコメント

 ニコニコ動画最大の特徴といえる「コメント機能」。時代の流れとともにさまざまな機能が追加・廃止されてきましたが、このコメント機能はサービス開始時からずっと変わらぬ形で存在してきました。途中下車においてもコメントは非常に重要な機能であり、コメントの内容が度々作者間の議論の対象になったりもします。また、途中下車はセリフ合わせを主体とするものが多く、そのセリフを「歌詞」として表す「歌詞コメント」が投稿されることもあります。ということで、コメント数の分布を以下にまとめたのでご覧ください。

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※2020/1/5現在。コメント数301以上の動画は698件(8.4%)。

これは「大変な途中下車シリーズ」の動画をコメント数10ごとの階級にわけたものです。コメント数が多くなるにつれて、動画数が指数関数的に減少しているのが分かります。

 

以下に大変な途中下車シリーズと全音MADの比較をまとめたので、ご覧ください。

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 ※2020/1/4現在。「大変な途中下車シリーズ」のうちコメント数301以上の動画は698件(8.4%)。「全音MAD」は「音MAD or 大変な途中下車シリーズ」でタグ検索をしたもの。「全音MAD」のうちコメント数301以上の動画は9827件(12.5%)。
音MAD全体で見てもほとんど分布が似ていますね。強いて言うならば、下車だけの場合に比べて0-20のコメントの割合が少しだけ小さくなっており、その分コメント数301以上の動画の割合が少しだけ多くなっています。しかし、差はほとんどありません。コメント数については、下車は音MAD全体とほぼ同様に分布するということが言えそうです。

 

ところで、前述のようにコメント機能は途中下車において重要な役割を果たしていますが、コメント数が多いからと言って必ずしも作品が伸びているとは限りません。なぜなら、コメントは再生数、マイリストとは違って格段に自演しやすい数字であるからです*8*9。コメント数が再生数やマイリスト数とどのように関わっているのかについては、機会があれば別記事でまとめたいと思います。

 

「大変な途中下車シリーズ」とマイリスト

先日投稿の「東方乗車録2019」には、今年から新たに「20マイリスト以上されている交通系音MAD*10を1作品以上投稿している人。」という合作参加条件が追加されました。結果、参加パート数は2018年の50パートから33パートに減少し、条件追加の影響が大きかったということが伺えます。では、大変な途中下車シリーズのうち、マイリスト20以下の動画はどれくらいの割合を占めているのでしょうか?

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 ※2019/12/27現在。

途中下車の半数以上がマイリスト20未満という結果になりました。マイリスト20という基準は一見厳しいようには見えますが、逆に言えば43.17%の動画がマイリスト20以上と考えることもできます。この基準については、今年以降も議論がなされていく必要がありそうです*11

 

次は、マイリスト100以上の動画について。これは僕が音MAD制作を進めるうえで第一に目標とする数字です。上記のように毎年数十作品しか到達しない、非常に厳しい数字ではありますが、どれくらいの割合を占めているのでしょうか?

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 ※2019/12/27現在。

1割以下という結果になりました。やはり厳しいですね。さらに厳しいのは、上のグラフから分かる通り、年々作品数は増加している反面マイリスト100以上の動画は減少しているので、マイリスト100以上の動画の割合が年々小さくなっているということ(詳しくは後述)。これからの途中下車の大きな課題と言えそうです。

 

「下車とマイリスト」について、上のグラフ以外にも様々なグラフをまとめましたのでご覧ください。

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 ※2020/1/10現在。マイリスト101以上の動画は731件(8.8%)。

これは「大変な途中下車シリーズ」の動画をマイリスト数別に表したものです。マイリスト0の動画が最も多く、それよりも上の動画はマイリスト数が増えていくにつれて動画数が指数関数的に減少しているのが分かります。

 

以下に大変な途中下車シリーズと全音MADの比較をまとめたので、ご覧ください。

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2020/1/10現在。「大変な途中下車シリーズ」のうちマイリスト101以上の動画は731件(8.8%)。全音MAD」は「音MAD or 大変な途中下車シリーズ」でタグ検索をしたもの。「全音MAD」のうちマイリスト101以上の動画は19206件(24.4%)。

再生数同様、はっきりと傾向が分かれています。まず、大変な途中下車シリーズはマイリスト0の動画の割合が最も大きいですが、全音MADではマイリスト3の動画の割合が最も大きくなっています。それより上で動画数が指数関数的に減少している点は同じです。しかし、マイリスト数50以下のほぼすべてで全音MADより大変な途中下車シリーズの方が割合が大きくなっています。その分、全音MADより大変な途中下車シリーズの方がマイリスト数101以上の動画の割合が小さくなっています。つまり、下車は音MAD全体よりもマイリスト数が少なくなりやすい傾向にあるということが言えます。

 

 また、マイリスト数分布の年別推移についても載せておきます。

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 ※2020/1/10現在。

前者は「大変な途中下車シリーズ」の動画を20マイリストごとの階級にわけ、その年別推移を表したものです。後者は各階級の割合の推移を示したものです。

先のグラフで示した通り、2007年から2019年にかけて年別動画数が激増していますが、その中でも最も増加した階級が0-20マイリストの階級であることが分かります。2017年以降は割合で見ても特に顕著な増加をしています。反面、21-40マイリストの階級の割合は全く変化していません。また、61-80マイリスト、81-100マイリストの階級の割合は年によってばらつきが大きく、101マイリスト以上の階級は絶対数が増えないため割合が年々小さくなっているということも分かります。このグラフを見て、2016年以降年々マイリストが伸びにくくなっているという見方もできます。しかし再生数分布の推移のグラフでも述べた通り、これは年月が経っていないことによる影響が大きそうなので、直近3年のデータについてはもう少し評価を待つ必要がありそうです。

 

まとめ

 まだまだ調べたいことはいっぱいありますが、ここでまとめに入りたいと思います。

・「大変な途中下車シリーズ」は、「音MAD」タグのうち約8%超を占める、音MAD界最大規模のコンテンツである。

・数字上では、大変な途中下車シリーズの全盛期は2016年と考察できる。

・大変な途中下車シリーズの再生時間は、「0:21-0:50」と「1:41-2:10」の2つが主流である。

・大変な途中下車シリーズの再生数は、「501-600」の割合が1番大きく、音MAD全体よりも少なくなりやすい傾向にある。

・大変な途中下車シリーズのコメント数は、「0-10」の割合が1番大きく、音MAD全体とほぼ同様の分布になっている。

・大変な途中下車シリーズのマイリスト数は、「0」の割合が1番大きく、音MAD全体よりも少なくなりやすい傾向にある。

 

いかかでしたでしょうか。これまで楽観的な考察から悲観的な考察まで様々な考察をしてきましたが、個人的には、「大変な途中下車シリーズ」はまだまだ発展途上のコンテンツであると思っています。年別動画数が激増している、ということは年々下車に対する門戸が広がってきているということです。門戸を広がれば、おのずと下車全体が発展していくことでしょう。もちろん、僕も一制作者として、または一視聴者として下車の更なる発展に尽力していく所存です。

最後に、ご意見・ご感想・ご要望等ございましたら、下のコメント欄にご記入していただければ幸いです。可能な限りご要望にお応えさせていただきたいと考えています。

 

ご覧いただきありがとうございました。

 

*1:大変な途中下車シリーズのタグが付いている動画。

*2:見ていない時期もありましたが、2011年頃と2013年頃、2016年頃~現在は特に集中的に見ています。

*3:下のグラフにもあるように、単純に下車タグのついた動画の総数は8330(2019/1/11現在)なので、この数を鵜呑みにすると途中下車は音MAD最大のコンテンツということになってしまいます。実際のところは分かりませんが。このことについては、かなり大規模な考察が必要そうです。

*4:4580件(2020/1/11現在)。どちらもつけている動画(3750件)の方が少数派です。

*5:登場は2015年。

*6:2019年1月3日現在。

*7:大変な途中下車シリーズのうち、RED ZONEを原曲にしたもの。

*8:再生数も自演しやすい数字ではありますが、「伸びている」と評価されるまで再生数を増やすのは膨大の時間と労力がかかるので、やはりコメントの方が自演しやすいと言えます。

*9:ニコニコ動画で一番コメント数の多い動画が自演動画です。(「自分でうpした動画に自分でコメントしまくってみる」https://www.nicovideo.jp/watch/sm125732)

*10:交通系の案内放送を素材にした音MAD作品のことです。大変な途中下車シリーズとバステイシリーズのことを指していると見て差し支えないと思います。

*11:記事公開前にこの節の内容をTwitterにて発信しておりましたが、誤解を招く表現があったため一部を訂正させていただきました。大変失礼いたしました。