2024年 抱負

明けましておめでとうございます。

 

どうも、ゆっけりんです。

年が明け、2024年が始まりました。今年も抱負を述べていきます!

 

2023年 振り返り

さて、2023年の振り返り...と行きたいところですが、昨年はあまり創作をしない年に終わってしまいました。携わった作品は以下の3つです。

soundcloud.com

 

 

※投稿は2024年1月1日ですが、制作期間は2023年中であるため含ませていただきます。

 

Summerくろしおは本来、2023年中に動画まで投稿する予定だったのですが、結局音声だけに終わってしまいました。2024年夏の投稿を目指して鋭意制作中ですので、お楽しみに!

 

高須は自身初(!)の下車外MADとなりました。「Reaper動画出力」を初めて使ってみました。音声波形に合わせて動画を出力してくれるのでめちゃくちゃ便利!簡単な音MADだったらこれだけで全然良さそう。これを機にバカタレ音MADを粗造していきたい所存

 

そして...【途中下車】駅名いろはかるた【2024】に参加させていただきました。面々が凄すぎる!オリメドが豪華すぎる!!枠がオシャレすぎる!!!ぜひ見てください。

制作にあたって、初めてAEを使いました。数年前からAE導入を試みては操作が難しすぎて断念し、サブスク代を無駄にする生活を繰り返してきましたが、ついに壁を乗り越えました。AviUtlでやっていたような編集の技術はほとんど身につけられたと思うので、今後に期待!

 

思えば、2023年は「ゆかりのない地域の下車を制作する」「下車外MADを制作する」「AEを導入する」という点で、初めての挑戦が多かった年でしたね。更なる飛躍に向けて頑張ります。

 

最近...

めちゃくちゃポケモンにハマっています。

パルデア地方のゆっけりん あまりにも可愛すぎる!

 

去年11月にNintendo Switchを購入して以来、ずっとゲームをしています。最近はほぼポケモン中心の生活です。

ポケモンSV、ゲームシステムもデザインも僕が熱中していた頃(DP~BWくらい)のポケモンとまるで変わっていて、正直最初ハマらんかもと思っていましたが、結果めちゃくちゃハマってしまいました。何よりもストーリー最高すぎる!!ポケモン最高傑作と言われる理由がよく分かります。まだ追加コンテンツの「ゼロの秘宝」が未プレイなので、今後じっくり堪能していきます。

 

2024年 抱負

今年の抱負は、

「何かしらの痕跡を残す」

とします。

2023年、何よりも音MAD DREAM MATCH-天-に熱中しました。魂震わせられる最高のイベントでした。

同時に、良い加減「影響を与えられる側」でなく「影響を与える側」に回りたいとめちゃくちゃ思わせられました。初投稿から6年が経ち、ついに10年が見えてきました。いつまでも界隈の隅っこでふわふわ漂ってるだけではいられません。そういった意味で、音MAD作者として何かしらの痕跡を残す1年にしていきたいと思います。

 

2024年も音MADを楽しみましょう。ありがとうございました。

2023年 抱負

明けましておめでとうございます。

 

どうも、ゆっけりんです。

近頃色々あって日々に忙殺されており、気づいたら2023年という感じで年越しした実感もありません。下車作者の自覚も薄れてきており良くない状況ですが、今後段々と取り戻していけたらと思います。

さて、2023年の抱負を述べる前にまずは2022年の活動を振り返っていきたいと思います。大変な途中下車シリーズ15周年の2022年は今考えるととんでもない年でした。

 

①東方乗車録メドレー2021 ~ Legacy of Lunatic Terminal. (1/1)

2年ぶりの参加となった年始恒例・東方乗車録。2022年も合作内合作という形で参加させていただきました。参加路線はつくばエクスプレスです。

みながれさんのTX愛溢れる素晴らしい音声に僭越ながら私が動画をつけさせていただきました。「新都市建設のワクワク感が伝わってくる」というコメントが嬉しかったです。まさに狙い通りという感じです。

TXは鉄道自体の面白さも去ることながら沿線の街も歩いててかなり楽しいので、早く単作を作りたいですね(作りたいけど良さげな曲がなくてまだ作れていない)

 

②不開成前夜(6/24)

実に1年半ぶりの単作。2022年3月11日に定期運行を終了した小田急電鉄50000形VSEの惜別作品です。

定期運行終了のリリースが出たのが2021年12月17日で、あまりに突然の発表に仰天した覚えがあります。物心ついた頃から小田急の顔として君臨していた車両なので、今定期運行していないことがいまだに信じられません。

セリフ合わせ、音合わせ、人力、撮影技法、カラーグレーディング、テキスト、全てにおいてこだわり抜きました。納得の出来になったと思います。特に取材が大変で、去年の年明けから半年間何度も何度も小田急方面に赴いては取材を行うというのを繰り返していましたが、撮った映像がブレブレだったりピンボケだったりで成果ゼロなんてこともザラにありました。良い思い出です(白目)

不開成前夜については裏話がいっぱいあるので、また別の機会に制作記を書いていきたいと思います。いつもこんなことを言っている気がするけど。というよりまずはSaphirDanseuseの制作記を書かないと.........

 

③【合作】DINAMIX DIAGRAM(7/13)

この合作が投稿されてからまだ半年経ってないんだなあ...となっています。下車界のスーパースターが集まった奇跡みたいな合作です。出てくる作者全員主役、キングダムです。今でも存在が信じられません。

もっと信じられないのは、私がこの合作の大トリを担当しているという点です。なぜ???????????去年の前半は重圧が凄まじすぎて常に吐きそうな状態が続いていました。この記事を読んでくれている方ならお分かりかもしれませんが、大変な途中下車シリーズを記念する合作の最後を務めるということは、それくらい恐ろしいことなんだと思います。

さらに言うと、私のパートの原曲はあの「Glow Map」ですから、感情を言語化できる限界を突破しています(まあ私が希望して選ばせていただいた曲なのですが)。Glow Mapと大変な途中下車シリーズの組み合わせといえば、何といってもこの作品でしょう。

何度でも言いますが、この作品は大変な途中下車シリーズ史上の最高傑作だと思っています。一記事書くくらいには好きです。

yukkerin.hatenablog.com

このような背景のもとに「Glow Map × 大変な途中下車シリーズ」の追憶として本パートを制作したのですが、日本の鉄道に対して湧き上がる様々な感情を短い時間にうまくまとめられたなあと思う反面、もう少しクオリティを追求したかったという気持ちがあるのも事実です。まあ、これは仕方ないですね。

下車作者としてこれほどまでに光栄なことはもう2度とないと思います。下車を見始めた頃には想像もしなかった景色が今ここに広がっています。本当にありがとうございました。

 

数字で見る2022年

ここまで2022年に制作した作品を振り返ってきました。2019年みたいな制作意欲旺盛な年に比べて最近は制作の頻度がスローペースになってきていますが、その分1つ1つの作品にかける熱が上がってきています。そして、このことは数字として如実に現れてきています。

なんとこの度、東方乗車録メドレー2021 ~ Legacy of Lunatic Terminal.が4位に、不開成前夜が3位に、【合作】DINAMIX DIAGRAMが1位にランクインしました!!!!!めでたい!!!!!!!!!!

内2つは合作なので私の力なんて微々たるものですが、何と言っても、不開成前夜が名だたる合作を超えて3位にランクインしたというのが非常に嬉しいです。ひとえに視聴者の皆様のおかげと言う他ありません。感謝感謝です。

 

2023年の抱負

2022年が下車作者人生で最高の年になったことは疑いようもない事実です。問題は今後それを超えられるかということですが..........

それを踏まえて。今年の抱負は、

「映像技術を向上する」

とさせていただきます。

毎年言っていることですが、音MADの映像技術の進化は止まらず、中には「音MADか?」と思ってしまうような度肝を抜かれる作品が次々と投稿されています。私も映像で人々を圧倒させるような作品を作りたいのですが、そこに追いつくにはまだ全然技術が足りていない状況なので、今年は特に映像技術の向上に鍛錬する1年としたいと思います。

制作ペース的に言えば、今年も「渾身の作品を年1回上げる」スタイルが続くと思います。単作を8本出すということを宣言した年もありましたが、おそらくこのスタイルの方が性分に合っているのかなと思います。

新作投稿までお待たせすることと思いますが、今年は「どの路線で来るのか?」ということを楽しみにしていただければ幸いです。実は候補が16個もあるんですけどね。中々これで行こう!というのが絞りきれていません。。。

 

2023年も途中下車を楽しみましょう。ありがとうございました。

 

DINAMIX DIAGRAM 参加しました

どうも、ゆっけりんです。

この度大変な途中下車シリーズ15周年を記念した大規模合作「DINAMIX DIAGRAM」に参加させていただきました。

 


www.youtube.com

 

主催の皆様方、このような素晴らしい合作を開いていただき、そして私を招待していただき本当にありがとうございました!

去年の「ニコニコ動画摩電楼」が下車合作最高傑作だと思っていましたが、上には上があるもので、今回はもっともっとパワーアップしたとんでもないスケールの作品となっております。私がその一部を担うことが出来たという点に感動が止まりません。

皆様ぜひぜひぜひご視聴ください。そしてもし、出来たらゆっけりんパートを見つけてみてください。それでは。

【合作】テツドウ動画摩電楼 参加しました

下車界隈の「摩天楼」が集う合作に、「摩天楼」を登場させました。

 

どうも、ゆっけりんです。

2021年7月13日、大変な途中下車シリーズ14周年の記念日。この日に投稿された、参加者なんと59名による過去最大級のメドレー式途中下車合作「【合作】テツドウ動画摩電楼」に参加させていただきました!!!

 


www.youtube.com

 

この合作の規格外なところは何と言ってもその豪華なメンバー。古参から新参まで、古今東西様々な作風がしのぎを削り合い、ひとつの作品としてここに君臨しています。私は参加者の中で4番目に初投稿が遅い所謂新参者なのですが、ご縁があってこの素晴らしい大合作に呼んでいただきました。この場をお借りして、主催者様方および招待してくださった某氏に多大なる感謝を申し上げます。本当に本当にありがとうございました!

 

担当パートは...パート50星間飛行 true my heart。本合作の使用メドレー「ニコニコ動画摩天楼」には最初から最後までに数回の抑揚がありますが、このパートはラスサビのひとつ前のサビの終わりにあたるパートです。また、このメドレーの最初の曲が「星間飛行」なので、原点回帰という意味も併せ持つパートです。本パートを制作する上では、このようなパートの特性も意識しました。

 

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選んだ素材は...中央特快。今回はほとんど所縁のない中央線で制作しました。中央特快を選んだ理由は、本パートの盛り上がりが中央線沿線の街の分布に似ているかなと思ったのと、ビルの間を疾走していく電車の雰囲気が「星間飛行」に似ているかなと思ったからです。あとはいろは合作2016の星間飛行パートの素材が京王線であり、「多摩」の印象が強かったというのもあります。

星間飛行パートは16:47~

 

本パートでは、何と言ってもリアル「摩天楼」を登場させることができました。これができたのは非常に良かったです。"Skyscraper", めちゃくちゃ好きな英単語です。

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また機会があれば裏話などを書き綴っていきたいと思いますので、気長にお待ちください。

 

 とにかく皆さん今すぐ「テツドウ動画摩電楼」を観て聴いて楽しんでください!ご覧いただきありがとうございました。

2021年 抱負

どうも、ゆっけりんです。

 

前回の記事では私的10選最後の作品を取り上げました。この記事を公開した1/10に、1日でなんと143件ものアクセスをいただきました。ご覧いただきありがとうございました。

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これだけのアクセスをいただけて嬉しいのですが、口悪く言えば「他の方のコンテンツでアクセス数を稼いでいる」というのもまた事実。自分のコンテンツでアクセスをいただけるようにしたいです。

 

さて、この記事では2020年に上げた単作について振り返ろうと思います。合作については以下の記事へ*1

yukkerin.hatenablog.com

 

①My Journey 2 -TWINKLING-(3/8)

My Journeyシリーズ第2弾。一昨年12月の関西・名古屋旅行で集めた素材を私的レールスターとしてまとめた作品です。

My Journeyシリーズについては以下の記事へ。

yukkerin.hatenablog.com

原曲は"TWINKLING other side edition"です。TWINKLING自体は比較的メジャーな曲ですが、other side editionの下車はもしかしたら初かもしれません。通常のTWINKLINGとメロディ自体は全く一緒ですが、曲が4分に長くなる、ボーカルが異なるという2つの違いがあります。関西・名古屋で録(撮)り溜めた素材が多かったので、今回は4分のother side editionを採用しました。うまい感じにまとめられたと思います。

本来なら夏くらいにMy Journeyシリーズ第3弾を出したかったのですが、伊豆に熱中していたら第3弾どころかまた旅行に行けない情勢になってしまいました。いっそ趣向を変えて静岡県縛りとかでやってみたいところです。

 

②Marin' Express(4/22)

去年3月まで運行されていたE259系マリンエクスプレス踊り子の作品です。後に投稿するSaphirDansesuseの取材のついでに生まれた、言わば副産物的な作品です。

このマリンエクスプレス踊り子、本来なら伊豆クレイルと同じように映像のみ記録する予定だったのですが、自動放送がついている(当時の伊豆特急では唯一)*2という事実を知って、一転音MADにすることを決めました。

soundcloud.com

この作品は特に音声が評価されており、音雲では何と40いいね*3をいただいています。僕自身もこの作品の音合わせはめちゃくちゃ上手くいったなと感じます。セリフ合わせは少しガバガバですが。

動画も良かったと思います。開国の地・下田を強くイメージした動画です。E259系の車体色である黒・白・赤と、マリンエクスプレス踊り子のイメージカラーである黄色。この4色と作品冒頭に登場する踏切の色が奇跡的に一致していて、冒頭から楽しい雰囲気にできたと思います。

また制作当時、ちょうどDynaSmart Tが期間限定無償キャンペーンをやっていて、本作品で初めてダイナフォントを使ってみました。特に「ロマン雪」を多用していて、後半の水ダウオマージュ部分に少し役立っています。ダイナフォント、学生版が4年間9800円と激アツ価格なのでまたご利用したいですね。

 

③SaphirDanseuse サフィール・ダンセーズ(11/7)

Sagammy!以来の本気音MAD枠。現時点*4でニコニコでは159マイリスト・145いいねYouTubeでは368高評価をいただいており、本当に嬉しい限りです。

作品の後日談は以下の記事へ。

yukkerin.hatenablog.com

こうして見ると、作品のコンセプトは完璧だったと思います。現代版、『伊豆の踊子』。川端康成が伊豆旅行で身につけた旅情を反芻して、自分なりの表現で下車作品に昇華できたのは大きかったです。原曲も壮大なストーリー性を持ち合わせていて、まさにこの作品に最適だったと思います。作ってて本当楽しかったです。

しかし、作品の設定が最高だったからこそ、もう少し動画にこだわりを入れたかったのは事実。本当は8月下旬投稿予定*5だったのがずれにずれて11月となってしまい、頻りに焦ってしまったのが良くなかったと思います。結局投稿直前まで終始グダグダで、悔いの残る結果となってしまいました。

この作品の細かい裏側は後日解説しますので、興味のある方はお楽しみに(?)。

 

今年の抱負とまとめ

2020年は禍の影響もあって制作した作品の数は減りましたが、その分1つ1つの作品の質がより高まったのかなと思います。小田急合作も主催しましたし、かなり濃密で忘れられない1年となりました。

 

それを受けて、今年の抱負を立てたいと思います。今年の抱負は、

「全国展開する」「圧倒的な作品を残す」の2つです。

 

1つ目について。今まで(My Journey 2を除いてほとんど)馴染みのある地域の、馴染みのある路線のMADしか作ってきませんでした。しかし、今年は馴染みのある路線だけでなくいろいろな路線に手を出して、全国津々浦々の旅情を噛み締めたい。この先どのような情勢になるのか未だ不透明ですが、限られた時間を精一杯謳歌しようと思います。

 

2つ目について。先日Marin' Expressのマイリスがついに100を超え、これでマイリス100超えの単作が5つになりました*6。昨年の下車記事で言及した通り、マイリスト100超えの下車作品は全体の8.9%程度であり、達成するのは中々難しいです。したがって、ここまでは良いペースで好評な作品を生み出し続けることができたと思います。これは皆さんの温かい評価があってのことです。本当にありがとうございます。

しかし、これで満足したわけではありません。SaphirDanseuseが不完全燃焼で終わってしまった以上、それを超えるような作品を作らなければなりません。下車外の人をも巻き込んで一大ブームを起こすような激情MAD、具体的にはマイリスト300を超すような作品を出したい。今年こそ100点満点の途中下車を皆さんにお届けしたいです。

 

いかがでしたでしょうか。作者人生も4年目に突入し、そろそろ新参と呼ばれる時期ではなくなってきたかもしれません。技術競争が激化していく中で、僕自身も決して怯むことなく、記録にも記憶にも残る作品を作り上げたいと思います。

 

2021年も途中下車を楽しみましょう。ありがとうございました。

*1:今年参加(主催)した合作は小田急合作のみ。

*2:去年3月から運行されているE261系サフィール踊り子・E257系踊り子には自動放送が搭載されている。

*3:2021年2月3日現在。

*4:2021年2月3日現在。

*5:原曲が「夏の終わり」を感じさせる曲であるため。

*6:「Super Zama Za-ma」「Sagammy!」「善行特権主張しますっ!」「Marin' Express」「SaphirDanseuse サフィール・ダンセーズ」。2021年2月3日現在。

続・2020私的途中下車10選

(この記事は、2021年1月10日に公開、2月10日に追記したものです。)

 

※この記事は下車作品を審査したり、優劣をつけたりすることを目的としていません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

※この記事はいつにも増して自分語りと的外れな考察を多分に含みます。苦手な方はブラウザバック推奨です。

※万が一不快な表現等ございましたら即座に対応いたしますので、その場合はお手数をおかけしますが私の方までお知らせください。

 

どうもゆっけりんです。

 

以下の記事の続きから始めたいと思います。

yukkerin.hatenablog.com

前回の記事では2020年の私的途中下車について9個振り返りました。この記事の反響についてですが、なんと3名の作者様から畏れ多いお言葉をいただきました。拙著が憧れの作者様の目に留まることは恐ろしいことです。本当にありがとうございます。

 

さて、この記事では今回の私的10選最後の作品について取り上げさせていただきます。本家「音MAD作者が選ぶ今年の音MAD10選」のアンタッチャブルレコードを塗り替えた、「大変な途中下車シリーズ」最高峰の作品です。

 

10. Glow Map × 大変な途中下車シリーズ【鉄道M@ster】

サムネから尋常じゃないオーラを発していたので、実を言うと緊張して中々見れなかったんですよね。

結局投稿当日には見られなくて、翌日の深夜1時になってやっと見ることが出来ました。

視聴後のことはあまり覚えていません。Twitterでは何かよく分からないことを喋っています。予想通り強大なオーラに飲み込まれてしまったんだと思います。

今見ると、あまりの完成度の高さに涙腺が崩壊しそうになります。技術力もさることながら、センスが溢れすぎている。技術力は努力でどうにかなるかもしれませんが、センスは努力だけではどうしようもないんですよね。生まれつき感受性が豊かで、このステージに至るまで色々な要素を吸収して成長してこられた方なんだと思います。まさにアウトプットの天才、そしてインプットの天才であられるお方だと思います。

くろしおりさんに憧れて下車作者になった人は多いと思います。僕もその一人です*1。思えば、どうすればくろしおりさんに近づけるかをずっと模索してきた作者人生でした。過去の作風にそれが現れていると思います。

でも結局それはマネしているだけに過ぎないんですよね。「オマージュ」と言えば聞こえは良いですが、凄い方の一番煎じをマネしても味のしない出がらしMADが出来上がるだけで、あまり意味はありません。作品を視聴後に頻りに反省したのは、この真理にやっと気づいたからだと思います。鋭い刃でグサグサやられている感覚でした。

 

自分語りが過ぎました。申し訳ありません。ここからは作品の好きなポイントを具体的に述べていきたいと思いますが、この作品は尋常じゃなく完成度が高い作品なので、章立てをして順番に触れていきたいと思います。

その前に、この作品は作者様による解説がありますので、私の記事よりもそちらを見ていただくことをおすすめします。

287mia.hateblo.jp

287mia.hateblo.jp

 

 (2/10追記:1/23にこの作品の後日談(前編)、1/26に進捗・未採用カット集が投稿されました。全人類観ましょう。これほどまでに貴重な財産はありません。)

ch.nicovideo.jp

www.nicovideo.jp

 

 

- 原曲

原曲は765 MILLION ALLSTARS「Glow Map」です。

www.amazon.co.jp

アイドルマスター」シリーズのアプリゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」のリリース3周年を記念して作られた曲です。2020年6月14日発表、7月15日配信開始と、非常に新しい楽曲なんですね。

薄明をイメージさせるようなドラマチックで明るい曲調と、アイドルたちが未来へ羽ばたこうと願う内容の鮮烈な歌詞が特徴です。

あまりにも良い曲すぎます。ミリシタをプレイしていない僕でもプロデューサー気分になってしまいます。曲を通じてかなり抑揚が付いているので中々音MADにしにくいかと思いがちですが、そのハードルを楽々越えるほどの魅力がある曲です。本当に最高の原曲だと思います。

なお、Glow Map × 私的レールスターという組み合わせはこの作品が初出ではなく、以下の作品が親作品に設定されています。

www.nicovideo.jp

以下の作品も同様に親作品に設定されています。

www.nicovideo.jp

 

- 構成

この作品は私的レールスターです。およそ次のような構成となっています。

寝台特急サンライズ瀬戸・出雲 (0:00-0:23)

・特急ひたち (0:23-0:33)

・特急ロマンスカーはこね (0:33-1:02)

・サビ(1:02-1:47) 特急はるか、宍道駅、車窓オールスター、特急ラビュー、北陸新幹線、特急ひだ、JR北海道・四国・九州の列車オールスター、特急花嫁のれん、特急くろしお、夕張支線、特急リバティ

・特急ひのとり・しまかぜ (1:47-2:09)

東海道新幹線こだま (2:09-2:34)

北陸新幹線 (2:34-3:08)

こうして見ると、現代日本の名特急を網羅しているということがよく分かります。先ほどの記事によると、「意中の異性と乗りたい列車私的」がコンセプトとのことです。

ここではパートごとに作品を追っていきたいと思います。

 

- 寝台特急サンライズ瀬戸・出雲

この作品は、上りサンライズ瀬戸・出雲の車内から始まります。

車窓に映る美しい星空、そして夜が明け、朝へと至る。ピピピとアラームが鳴る。まどろみの中で車掌さんのおはよう放送が聞こえる。未だにサンライズに乗ったことのない僕でも旅情に浸れるパートです。

見上げた明けの空に 思い重ね そっと紡いだ Wish Song…

「さわやかな朝、新しい一日のはじまり」というイメージで命名*2、製造された寝台特急サンライズ。まさにこの歌詞にぴったりの列車ではないでしょうか。

上り東京行サンライズというのもポイントです。サンライズは東京と高松(琴平)・出雲市を結ぶ寝台特急であり、下りは地方への観光または帰省、上りは東京への観光または帰省の需要を満たすという性質を持ちます。「旅」をテーマとした作品は「地方への観光」を想起させる下り列車が用いられる場合が多いのですが、ここでは逆に上り列車が用いられています。

このような感じで、この作品にはよく上り列車が登場します。この件については後述したいと思います。単に持ち合わせの素材の問題かもしれませんが...

 

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2/10追記:前述の後日談では、このパートについて以下のような言及があります。

サンライズは今風な設備を備えた次世代の夜行列車として、何かと一目置かれる存在です。
動画は、そんな夜汽車で朝を迎えるシーンから始まり、後に続く原曲の歌詞「見上げた明けの空ー」へ繋がります。

重い瞼をこすりながら寝台列車で朝を迎える風景を演出したつもりです。

冒頭にサンライズを持ってきたのは、上記のような「物語の始まり感」を演出したい欲がったのと、
イントロ後に続く「見上げた明けの空に思い重ねー」が夜行列車の夜明けシーンとよくマッチするなと思ったため。

このパートについては、制作者さんが意図した通りのことを汲み取ることができたのかなと思います。サンライズ乗りたいですね。乗りたいのは山々なんですが、自分の場合、二度寝していつの間にか東京到着…みたいなことが起こりそうで困ります。

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- 特急ひたち

去年3月の常磐線全線運転再開に伴い、東京仙台間の在来線特急が9年ぶりに復活したとして話題になった列車です。

ここで出てくる列車はその仙台行ひたち。上野水戸勝田...と停車駅を連呼して行くシンプルな構成となっていますが、セリフ合わせが気持ちよくて聞いてて楽しくなれるパートです。E657系を撫でるように見つめているかのようなカメラの動きがめちゃくちゃ好き。旅の思い出が走馬灯のように駆け巡る様子を表現しているように思います。

パートの終わりで"The stop after Yumoto will be Hakone-Yumoto."というシーンに至り、湯本つながりで特急ロマンスカーへつながります。

 

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2/10追記:後日談では、このパートについて以下のような言及があります。

このシーンでは、1つめの見せ場となる後のパートへの繋がりを意識して、全体的に大人しく編集しました。

「ひたち号の仙台ゆき」という要素は、
全体的な着想にもあった「旅」を想うことについて、何かと強い意義を持つのではないかと思います。

確かに常磐線全線運転再開、東京仙台間のひたち復活という線路が繋がる特急が繋がるという出来事は、旅が出来る幸せを想起させるという点でシンボリックな出来事です。旅とは、思いを繋いで1つの形にまとめ上げていく営為なのではないか、と大言壮語的なことを感じました。

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- 特急ロマンスカーはこね

ここがヤバい。ロマンスカーというだけで激アツのアツなのに、この眼福パートが29秒も持続するというのが最高です。小田急好きとしてはこれほど拝めるパートはないです。本当にありがとうございます。

このパートはVSE/GSEの車内チャイム(ロマンスをもう一度)がマッシュアップされるところから始まります。そしてこのチャイムがそのまま音合わせにも使われています。Please kill my love風の動画とも相まって非常に透明感ある雰囲気になっており、良質な旅情に浸ることができます。「VSE乗車位置」アニメーションも最高です。

あじさいや雪のない富士山、美しく澄んだ河川等の映像素材が多く使われていることから、個人的には6月の梅雨時をイメージして作られたパートなのかなと感じます。箱根と言えば日本屈指の紅葉スポットとして有名ですが、ここでは梅雨時の素材が多く使われていることによって、従来とはまた違うロマンスカーの魅力が引き出されているという感じがします。伝説の作品はやはり目の付け所が全然違います。圧巻です。

そしてここでも上り(新宿行)の素材が使われています。僕は根が田舎者なので、パート終盤の新宿の映像を見て高揚感を覚えます。美しい沿線風景が広がる郊外から大都会へと一気に駆け上がっていくさまは、僕が小田急に惹かれてきた理由の最たるものです。僕が処女作(Super Zama Za-ma)を作った時の初々しい気持ちを思い出させてくれるようなシーンです。

このパートを見ると、やはり小田急は最高の舞台装置だなという風に感じます。早くロマンスカーMAD作らなきゃ。

 

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2/10追記:後日談では、このパートについて以下のような言及があります。

常磐線の「湯本駅」から、小田急線の「箱根湯本駅」へ繋がり、ロマンスカーのパートへ入ります。

ロマンスカーのパートから、図形がわちゃわちゃします。
背景の格子線や四角形の表現は「Glow Map」のジャケットを意識したつもりだったんですが、全体的には
「Please kill my love」っぽいという感想を多く頂戴しました。見返すとめちゃめちゃそれだなと自分でも思います。

リズムに合わせて遷移する図形には、小田急沿線で撮った写真をクリッピング
ロマンスカーを象徴する「赤」、富士山や透き通った空、そして瑞々しい湧水を思わせる「水色」、梅雨から初夏にかけて沿線を彩る紫陽花の淡い「紫色」などをちりばめました。

勝手に「Please kill my love風の動画とも相まって〜」とか言ってしまいました。無知が出ました。失礼しました。

確かにGlow Mapのジャケットは、斜め格子の中にミリオンライブのキャラクターが登場するデザインとなっています。対してPKMLは2015年の音MAD10選で1位となった、音MAD作者なら知らない人はいない伝説の作品です。やはり音MAD、動的な要素が「PKMLに似ている」という印象を強くしたかもしれません。

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- サビ(前半)

遥かな空へ出かけよう 信じる絆を抱いて

サビではまず関空特急「はるか」と「宍道(しんじ)」駅が登場します。「遥かな空へ出かけよう」を女声放送、「信じる絆を抱いて」を男声放送にそれぞれ歌わせていると思うのですが、特に後者の男声がコロナ禍に生きる私たちの心に沁みてくるようで涙腺が緩みます。本当に美しい歌声です。

 

みんなの気持ち響き合って地図を作ってく

特急ラビューから北陸新幹線、そして日本全国に赤ピンが広がっていく表現へ次々と移り変わっていく場面ですが、視点に奥行きを持たせた、言わば"Z軸のシーンチェンジ"が展開されています。どうやったらこんな動きができるのか全く見当がつきませんし、もし実現できても違和感が勝ってきそうだなと思うのですが、この場面ではそういった違和感は全くありません。恐ろしい技術力です。

 

最高の一瞬を何度も超えて行くんだ

あたりが静寂に包まれる中、踏切の音だけがカンカンと鳴る。やがて電車の荒々しいモータ音が近づいてくる。その音の主に向けてピントを合わせる。シャッターを切る。

我々が息をのんで待ち続ける「最高の一瞬」。このシーンではその一瞬に対しての"気迫"が、音声・動画の両方で再現されています。この「カンカンカンカン ピピッ カシャッ カシャッ カシャッ」という環境音が原曲のリズムと同期しているので、凄くハマってて気持ちが良い。自然に体が揺れてしまいます。

あとは「超えていくんだ」のところの映像表現。映像中に出現する四角い枠は写真のフレームを連想させますが、橋梁や鳥居、そして列車がフレームの上に飛び出してくることで、「何度も超えていく」というフレーズを印象付けています。こんな表現どうやったら思いつくのか?

 

そして特急「ひだ」の車内放送が入ります。重厚な雰囲気の車内や高山の美しい景色が旅情を増幅させます。

 

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2/10追記:後日談では、このパートについて以下のような言及があります。

「はるかな空へ 出かけよう 信じる絆を抱いて」の人力ボカロに合わせて展開していくシーンです。

はるか→関空特急はるか号、信じる→宍道る(JR山陰本線の駅名)などの言葉遊びをしています。
人力ボカロには全国の自動放送で聴ける声を適宜使用しました。

楽曲のサビにあたる部分なので、なるべく派手に色とりどりになるよう編集したつもりです。
あと後半に何かと出てくる白石紬さんが初めて出てくるシーンでもあります。

1/10の私は全く触れませんでしたが、ここのシーンは動画の技術も凄すぎます。サビに差し掛かって曲が動き出すのと同時に、カメラワークがダイナミックになります。ここのカメラワークは、おそらくMV映像から抽出したものだと思われます。凄い好き。

www.nicovideo.jp

あとは「水彩画風の淡い背景」と「カラフルな白石紬さんの衣装」とのコントラストも美しいです。音MAD、特に下車においてはギツギツな配色が好まれがちですが、この作品はそうした潮流とは別のところにあります。「色とりどり」だけれども、どこか麗しく、奥ゆかしい。くろしおりさんの傑出したセンスの成せる業だと思います。

 

Z軸の映像展開です。(中略) 車窓シーンからシーンチェンジするところは、元映像から出力した静止画を切り抜いて使っています。

もう少し映像に「飛び出す感」が欲しかったので、四角形を円形配置したやつとマップピンのアイコンを使って地図のモーションが現実世界に透過されたような具合にしました。後の歌詞「地図をつくってく」の前座です。

改めて見ると、この表現は異次元過ぎますね。後日談で詳しく解説されているのですが、三次元どころか一次元のモーションすら危うい僕からしたら、構造を理解するのが困難なシーンです。立体感覚が欲しい。

 

最高の一瞬を求めて、待ちわびた列車が奥の方から姿を現したときのドキドキ感。そんなものが伝わったらこのシーンは成仏できます。

空気の作り方が凄いシーンです。環境音の効果も相まって、多くの人にこのドキドキ感が沁み渡ったのではないでしょうか。極細ゴシックの使い方も非常に絶妙で、作者として本当に参考になります。

 

鉄橋の処理がハチャメチャ面倒でした。ディーゼルの列車が走る路線なので、架線柱が立ってなかったりしたのがせめてもの救いでしょう。

下原八幡神社は、境内に線路が通ってる不思議な神社です。鳥居と列車を1つの風景に収めることができます。
鳥居で立体感を出したかったので、フレームとテキストを斜めクリッピングで一部消しています。鳥居で立体感を出したかったので、フレームとテキストを斜めクリッピングで一部消しています。

こういう「切り抜き」や「クリッピング」というのは地味でキツい作業なんですよね。しかし、面倒くさがって手を抜いてしまったら終わりです。作品を死なせないためには細部までこだわり抜くことが重要だ、ということを身をもって体感しました。

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- サビ(後半)

ここから舞台は日本全国へと遷移していきます。

始まりのあの日から (ずっとそばで)
幾つもの景色を一緒に過ごしたね

最初のJR北海道パートでは維持が困難な路線に指定された釧網本線や雪をかき分けて走る札幌圏の通勤列車など、北海道の鉄道風景が登場します。そして一瞬JR四国の「アンパンマン号」が出てきた後、JR九州の「ゆふいんの森」が登場します。昨今の情勢が進行していく中で、こうした「当たり前の景色」が失われかけていることに気付かされます。

 

その後は花嫁のれんとくろしおのキャッチコピー、夕張支線廃止のさよなら放送、特急リバティのスカイツリー放送、大橋さんの自己紹介放送など*3、全国各地の名放送が流れていきます。行きたいところには行けるうちに行っておかなきゃダメですね。今となってはそのことが痛いほど分かります。

 

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2/10追記:後日談では、このパートについて以下のような言及があります。

映像面では、今までに撮り溜めた風景を見返しているようなものを意識した演出をしました。
古いアルバムを紐解くように、ちょっとアナログちっくな感じを意識しています。写真は最近撮ったものですけど。

映像面では、ここから写真を振り返る媒体が移り変わります。

上のシーンまでは、少し古臭い処理をかけた映像を流していましたが、人が思い出を振り返るための手段も時代によって変わるよねということで、古いアルバムっぽい雰囲気から、写真共有アプリ「インスタグラム」風の表現へと変遷させました。

映像媒体の進化には目覚ましいものがあります。ほんの20年前まではVHSを中心としたアナログテープが主流だったのが、デジタル化・パソコン普及の波に押されてDVD・BDそしてHDDといった磁気ディスクが世界を席巻するようになりました。更にはTwitterインスタグラムなどのSNSが普及したことによっていつでもどこでも映像を共有できるようになり、「旅」の形も大きく変容しました。このパートは、そういった旅のスタイルの変化を「技術的進化」という側面から想起するパートです。今後ARやVRなどの技術が進展するにあたって、旅のスタイルも同様に進化し続けていきそうです。

また、大橋さん放送のひとつ前の放送は「特急『能登かがり火号』でのアナウンス」とのことです。分かりませんでした・・・(2/10追記はここまで)

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- 特急ひのとり・しまかぜ

西の私鉄特急の雄・近鉄特急。2012年にデビューした特急しまかぜが従来とは一線を画した、乗客本位の革新的な観光特急として好評を博していることや、去年3月に名古屋大阪間の新主役・新型特急ひのとりがデビューしたことで話題となっています。

ここで出てくる列車はそのしまかぜとひのとりです。

まずはひのとり。先ほどのロマンスカーの時と同様、原曲と車内チャイムのマッシュアップから入ります。ここで画像部分がクリッピングされて隠れていた文字が現れるのですが、ここにしれっと焼き肉食べたいと書いてあってて少し笑ってしまいます。

ひのとりが「飛び立つ」表現も好きです。ロゴマークの下に2本線が出て、ロゴマークの動きに合わせてシュッと消えることで疾走感が表現されています。細かい表現ですが、これがあるとないとでは大違いです。細部までこだわり抜かれていることが分かります。

次のシーンでは、しまかぜがまるで水彩画のような透き通った表現で登場した後、しまかぜ車内のカフェで提供されるグルメが「メニュー表」を模した形で現れます。「移動も楽しめる」というしまかぜの魅力がここに詰まっています。このシーン、サビの盛り上がるところから一気に静かな曲調となるので構成に悩みが生まれそうなのですが、この作品ではそういったことは全く感じさせません。ここから後の感動のフィナーレへとつながっていきます。

 

- 東海道新幹線こだま

無限の空に何度でもキラめく夢を描いて行こう…ずっと

この作品では、ミリシタに登場するアイドル「白石紬」さんがこの部分を歌います。「無限の」未来に向けて、強く飛び立とうとする白石紬さんの覚悟が伺えるシーンです。

動画では、中央の四角い扉のような部分から「空」が見えるような表現となっています。この部分を歌い終えた後、東海道新幹線の発車ブザーが鳴るとともに、白石紬さんが扉の前に現れて言います。

 

「行ってきます!」

 

そこからラストのサビが始まります。きょきょ今日も...という車内放送と共に、シーンが新幹線に乗り込むときの視点の映像に移り変わります。「アイドルになって飛躍したい!」という白石紬さんの夢と希望を、新幹線に乗るときの高揚感に乗せて表現していたということに気づきます。ここで僕は泣きます。

高速で通過するN700系を尻目に、我々はこだま東京行に乗り込みます。燦然と輝くN700 Supremeの文字。去年7月に登場し話題となった列車です。

個人的にはこだまN700Sというのが非常に感慨深い。東海道新幹線の沿線ながらのぞみが止まらない県で生まれ育ったので、こだまには特に馴染みがあり、東京に行くときの心高鳴る思い出が詰まっています。それを新型N700Sで追体験できるのは...もう涙腺が消滅してしまいました。

その後「なおこの列車では全て外の空気との入れ替えを行っています」という禍を感じさせる放送が流れます。列車が新横浜、品川、そして終点の東京に到着した後、この作品はついにラストパートへ突入します。

 

- 北陸新幹線

全力で輝きたい 今よりも明日もっと

最後は北陸新幹線。金沢をはじめ北陸地方は有名な観光地をたくさん抱えており、大変な途中下車シリーズにおいても人気の高い地域の一つです。そして、何といっても、この作品にとって大きな存在である白石紬さんの出身地です。北陸新幹線を一番盛り上がるところに持ってくるという構成力の凄さをひしひしと感じます。原曲に「輝きたい」という歌詞が存在するのも、北陸新幹線に「かがやき号」が存在するのも、そして紬さんが金沢出身であることも、全てが偶然だとは思いますが、この作品はそうした幾つもの偶然を掛け合わせた奇跡の作品だということが分かります。感動の絶頂です。

そしてここからの怒涛の映像で圧倒されつくしてしまいます。端的に言えば中央に駅名が表示され、周囲から駅周辺の観光地やグルメがスッと出てくる表現なのですが、記憶に残る色使い、精巧な切り抜き、次の駅へと移行するタイミング、どれをとっても一級品でプロの技であるとしか言いようがありません。美味しそうなブラックラーメンも、立山連峰の美しい景色も、高岡大仏が点滅して出てくるところも、「つるぎ」号が「つむぎ」になっているところも、堂々たる鼓門の姿も、全部大好きです。何でもいいからとにかく北陸に行きたくなる映像です。完璧にやられてしまいました。

障子型のドアが閉まり、列車は構内に引き上げます。かがやき518号東京行の車内で車窓に思いを馳せながら、作品は終わります。

 

最後にひとつだけ。この作品ではよく上り列車が出てくるという話をしました。あまり確実なことは言えないですが、これはこの作品が「旅を通してでしか得られない情趣」と「上京してアイドルになった白石紬さんの人生」を重ね合わせているからではないかと思います。旅をするワクワクの裏には、一人の少女のドキドキがある。この上なく素敵なテーマを持った作品だと思います。こんなに素晴らしい作品をありがとうございました。

 

- まとめ

ご本人から直々に「書いていただけたら喜びます」というお言葉をいただいたこともあってこの記事を書き始めたのですが、長々と読みづらい感想を書き連ねる結果となってしまいました。ひとつ確かなことは、この作品があまりにも好きすぎるということです。この記事が作品にとってマイナスになるようであれば、速攻削除させていただきます。

この記事ですが、個人的には表面的な感想に終始してしまったかな、という感じがします。失礼ながらアイマスに詳しくない私としては、作品の裏側の部分について深く汲み取ることができなかったかもしれません。ここはぜひご本人からの制作記を待ちたいところであります。

 

ということで、ここでこの記事を終わりにさせていただきたいと思います。ご意見ご感想等ございましたら私の方までお伝えいただければ幸いです。ありがとうございました。

*1:新交通合作のリニモパートに心掴まれました。

*2:Wikipedia:「JR西日本285系電車https://ja.wikipedia.org/wiki/JR西日本285系電車

*3:あとひとつがどうしても分かりませんでした。

2020私的途中下車10選

2020年も名作揃いでした。

 

どうもゆっけりんです。

年末の風物詩「音MAD作者が選ぶ今年の音MAD10選」。これは音MAD作者が1年間で最も素晴らしいと思った音MADを10個選ぶという企画です。今回はこのシステムを勝手に拝借し、2020年にハマった途中下車を10個選ばせていただきたいと思います。題して「2020私的途中下車10選」です。

※この記事は下車作品を審査したり、優劣をつけたりすることを目的としていません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

※この記事は自分語りと的外れな考察を多分に含みます。苦手な方はブラウザバック推奨です。

※万が一不快な表現等ございましたら即座に対応いたしますので、その場合はお手数をおかけしますが私の方までお知らせください。

 

1. FLOWER - Odoriko LTD. Express Remix -

主コメより、この作品は2011年投稿の"FLOWER - Kinokuni LTD. Express Remix -"をリスペクトした作品であると思われます。

2020年3月13日。ダイヤ改正前日、すなわちスーパービュー踊り子(SVO)ラストラン当日に投稿された作品です。何よりもタイミングが衝撃でした。個人的な話をすると、SVO東京行ラストランの素材を集めるために伊豆に出かけようとしていた、ちょうどその深夜に投稿されたのがこの作品でした*1。SVO引退MADの素材を集めようとしている時にSVO引退MADの下車が上がったので、かなり影響を受けました。

特にこの作品は素材の量が膨大で、かつ1つ1つの素材のクオリティが非常に高い。この作品を見た時はとにかく素材に圧倒されっぱなしでした。と同時に、非常に焦りを感じたのを覚えています。当時の僕はとにかくSVOの素材を集めまくっていたつもりだったのですが、この作品を見てやはり素材の量が少ないと切に思いました。

とはいっても引退当日じゃもうどうしようもないので、せめて質の高い素材をと思い、当日のんびり行く予定を「某有名撮影地で撮影を行ってからSVO東京行ラストランに乗車する」というハードスケジュールに急遽変更したという経緯があります。それほどまでに影響が大きかった作品でした。

 

あまりにも自分語りが過ぎるエピソードで申し訳ありません。話を元に戻します。この作品はその豊富な動画素材だけでなく、聞き心地の良いセリフ合わせが魅力的だと感じます。FLOWERはリズム感がかなり独特で、音MADを作る際にはなかなかセリフ合わせしにくい原曲だと思いますが、この作品は細部まで完璧にセリフが合っていてある種の職人芸を感じました。ぜひ学ばせていただきたい点です。

あとは、図形も文字も使わずこれほどまでに伊豆の魅力を引き立てられる構成力が凄すぎます。氏は何といっても「とうよconcon」や「Akasagawara*2」など、図形や文字を用いた動画のクオリティとセンスが傑出している方なのですが、この作品においてはリスペクト元であると思われる「FLOWER - Kinokuni LTD. Express Remix -」のDNAを受け継いでいると感じました。

演出が多様化している時代だからこそ、素材の質が求められているのではないでしょうか。この作品はそのようなことを問いかけてくれる作品だと思います。

 

2. 2020春のHaunted Dance!かぐや様は不器用あそばせ全国編!人気番組大集合スペシャル!

新聞のラテ欄みたいなタイトルと主コメで最初はどんな内容なのかと思ってしまいましたが、中身を見たら様々な素材を混ぜ合わせた私的オールスターだということが分かりました。途中"Haunted Dance"から"Last Knight"へと原曲が切り替わりますが、ちょうどそこから途中下車要素が入ります。ここでは途中下車として扱わせていただきます*3

この作品が投稿された2日後に緊急事態宣言が発出されており、この頃世間の恐怖と混乱がピークに達していたことを覚えています。視聴者が「頭空っぽで聞いて元気になれる作品」を求めていた時期だったので、まさに当時の視聴者のニーズに合致していたと思います。そこそこお笑いを見る身としてはLast Knightに入る前に出てくる漫才の締め方メドレーが好きです。続行!

続行!の次が「なんば」で始まるのも激アツ。そこから全国津々浦々の駅が出てきてとにかくひっちゃかめっちゃかになるのが良いですね。どこの駅が出てきたんだ!?と考えつく前に、いつの間にか舞の海がグルコサミン体操をしているので笑ってしまいます。ネタMADとはかくあるべきだ、というのを見せられた感じがしました。

当時は結構大変だったのですが、この音MADに元気づけられました。その感謝の意味も込めて、今回選ばせていただいた次第です。

 

3. イズノヨゾラ哨戒班【ありがとう251系】

アスノヨゾラ哨戒班はニコニコでは言わずと知れた超有名曲で、下車界隈においても伝説の作品「アスノヨゾラ出雲班」で用いられて以来人気曲となった、という経緯があります。何より疾走感ある爽やかな曲調と、葛藤を抱きながらも未来を切り開こうと成長する少年の物語が聴いている人の感動を誘います。

こと下車作品においては原曲と路線・列車の組み合わせは非常に重要です。この作品は「アスノヨゾラ哨戒班」と「スーパービュー踊り子との別れ」という組み合わせなので、感動しないわけがない。

この作品は3分26秒の中にSVOの全てが詰まっています。そして、その全てが"もう存在しないもの"であるということを随所に感じます。バブル期を感じさせる豪勢な内装。アテンダントさんの柔らかで細やかな車内放送。「終点」ではなく「終着」と表示する車内LED。こんなに素晴らしい特急との別れを、この作品は艶やかに見せてくれています。

そしてこの作品の一番のポイントと言えば、やはり人力パート。首都圏から姿を消しつつある津田ATOSの歌声は、この作品のテーマである「別れ」の切なさを増幅させます。どうやったらこれほど綺麗に歌わせられるのか、私には全く見当もつきません。恐ろしい。

ちなみに、イズノヨゾラ哨戒班で出てくるSVOは池袋行(最終運用)、弊MAD(SaphirDanseuse)で出てくるSVOは東京行(最終運用の一本前)なので、偶然ではありますが差別化が図られています。実は私も池袋行で制作する予定でしたが、泣く泣く東京行で制作せざるを得なかったという経緯があります*4。今となっては最高の形だったかなと思います。SVOのMADのことになるとどうしても自分語りをしてしまいますね。申し訳ありません。

 

4. 激突!ナゴヤレース

「ネタ系MADとクオリティ追及系MAD*5」は相容れないものとして見られがちです。この作品はそのような従来の固定概念をぶっ壊してくれます。

まずデザインが素晴らしい。(多分)Fontworks系のフォントがいっぱい出てきて眼福。駅名標点字ブロック、車掌、車両、発車標...様々な鉄道要素が「モーション化」されており、見ていて非常に満足感のある作品です。こういう要素をモーション化するのは「描画」や「切り抜き」などかなりの作業を要するため大変なのですが、よく見てみると一つ一つの作業が丁寧で細かいのがよく分かります。まさに「ディテールまでこだわっている」作品です。

原曲は皆さんご存知グルメレース。正式には激突!グルメレースです。この曲が流れるミニゲームカービィデデデ大王がグルメを取りながらレースをするというものです。そして、この作品は「豊橋名古屋間におけるJRと名鉄の競合関係」をレースという形で表現しています。つまり、これも原曲と路線のイメージが合致した作品なのです。これほどまでに考え抜かれた作品は驚きです。

作品の終盤、様々なゲームを通じてJRと名鉄が対決します。これも芸が細かい。そしてLCDパートに移り、最後の大オチへと至ります。この大オチがあまりにも綺麗すぎて、思わず何度もリピートしてしまいます。物語の起承転結の重要性がよく分かります。

 

5. ダダダダメトロ【御堂筋線

先ほどの激突!ナゴヤレースと同じくハイクオリティかつネタ盛りだくさんという凄い作品です。今見てみれば、2020年5月は現代下車史上稀に見る大豊作月でしたね。

原曲は「ダダダダ天使」。音MADの原曲としては非常にポピュラーな曲です。この曲はディスコミュ系天使が堕落した自分を嘆きながら承認欲求をさらけ出して行くという、私みたいな人間の心にぶっ刺さりする曲です。

この作品では、「御堂筋線中津行き」が堕天使キャラとして扱われています。「ダメな電車の行先」として日本一有名な中津行きに色々突っ込む、という筋書きが根幹にあります。

この作品の凄いところはやはりネタの多さ。もはや私的オールスターではないか?という具合にネタをぶっこんできます。御堂筋線→中津行きか!(中川家)、昭和町→令和であります(菅現首相)、大国町→官房長おおおお!!!(相棒) などなど。#本田とじゃんけんの本田圭佑や、今年何かと話題になった吉村知事や松井市長も出てきます。

そしてデザイン性の高さ。ダダダダ天使PVのフォーマットを踏襲しながら、ぬきたしOPを模した表現やVHS風の表現など、色々な映像表現が出てきます。まさにデザインの見本市。常人ではできない技だと思います。

 

6. 丸の内線サディスティック

去年の途中下車で最もマイリストが多い作品です。最初は何者?という感想しか出てきません。多分その道に精通した方が作られたのでしょう。

原曲は1999年にリリースされた椎名林檎の代表曲「丸ノ内サディスティック」です。この「丸ノ内」は丸ノ内線の事を指しているというので、これだけで少し下車向きな原曲と言えます。歌詞はエロティシズムと音楽性が融合した独特な世界観で難解ですが、当時の椎名林檎が感じた東京の姿が投影されているように感じます。

作品の感想としては「不思議」の一言です。個人的には車内放送に2020年を、「映像のノイズと縦ブレ」に1960~70年代を、ピクトグラムに1980年代を、歌詞の字幕に2000年代初期を想起します*6。そして映像は多分1991年のものです。


東京メトロ 営団 赤い 丸ノ内線 現役 500形 新宿駅 → 四谷駅 1991年 流し撮り

さらにコメントでは「平成初期感あってめちゃくちゃ好き」「1980年代に投稿してたら100万再生してた」と言われています。このことから分かるように、この作品が想起させる年代は結構バラバラなんですよね。私は結構混乱します。

それでも、この混乱している感じが「オシャレ」「エモい」として視聴者に受け入れられているように感じます。本当感想の言語化に困ります。でもひとつ確かなことを言えば、このクラスの作品は高いレベルで音楽と映像に精通していないと作ることができません。作者の尋常ではないセンスを感じます。

冒頭でも言った通り、この動画は去年の下車の中で最もマイリストが多かった作品です。このことについてコメント欄で色々と言われていますが、一番大きな理由は「ニコニコ動画の高齢化」にあると勝手に思っています。最近実装されたアナリティクスによると、現時点でニコニコの全ユーザーのうち35歳以上のユーザーは42%を占めます*7。これらのユーザーは高校生以上の年齢で「丸ノ内サディスティック」発売当時の椎名林檎を見ているので、この音MADはとにかく刺さると思います。それが高い伸びに繋がったのかなと。私は当時まだ生まれてすらいませんでした。

 

7. 中央線テクノ|時報ラップ×中央線

ヤバい。

下車界隈の伝説・弧光灯氏が復活後2つ目に投稿された下車がこの作品です。弧光灯氏は「駅のホームですっぽんぽんになるのは危ないですからおやめ下さい」や「S・B総武快速線は快速運転なのか? 最終電車エアポート・N」など、まさにレジェンド級の作品を多数投稿されています。特に前者は現在大変な途中下車シリーズで最も再生数の多い作品です。本当に末恐ろしいことが起こっています。

復活後1作目のきたぐにの作品も素晴らしいものでしたが、この作品の衝撃は凄かったですね。画質は720pですが、2008年にタイムスリップしたかのようなflash風の作りで驚嘆しました。特に「2008年に前半を作って放置していたものを2020年に完成させた」というのは私からしたらもう考えられないことです。2008年当時の中央線は高架化すら未完成だったという事実。

この作品はとにかくモーションが素晴らしいです。今でもトップレベルの技術だと思います。驚きです。今でもトップレベルなので、2008年当時に一世を風靡したのも納得できます。その道に精通されている方が作られたものとしか思いません。

動画では中央線を中心に、様々な路線の様々な列車が登場します。今は関東圏から姿を消した201系から、最新鋭のE353系まで勢ぞろいです。本当に電車の図鑑を見ているような感じがします。12年間の中央線の進化を感じさせる素晴らしい作品です。

 

8. SUBWAY B.B.BLUE.

出ました。この作品についてはずっと語りたかったんです。ここで存分に語らせていただきます。

この作品は、動画制作者の雪原てとら氏が制作記を執筆されています。この制作記によると、モデルとなったのはやはり2015年公開の「LOVE Y.R.P」のようです。

digi-gak.com

視聴後、これほどまでに「やられた!」と思った作品は今までありませんでした。衝撃を受けすぎて、何も考えず尋常じゃないくらいの広告をしました。後悔もしていません。それだけ心が強く突き動かされた作品でした。

この作品は私が目指していた作風の、さらにもう一つ先にある完成された作品という感じがします。音声で言えば、透明感のある音合わせ、重厚なドアドラム、正確無比なセリフ合わせ、作品にアクセントを加える環境音...ベイスターズファンとしては「熱き星たちよ」が流れるところでテンションが上がります。動画で言えば、流れるような文字と図形のモーション、手振れが一切ない美しい素材、記憶に残りやすい鮮やかな配色、下車史上初の動画モデル起用、計算しつくされたカラーグレーディング...このクオリティはMG派の最高傑作であると思います。まさにLOVE Y.R.Pの正統進化版と言えます。

動画制作者の雪原てとら氏はこの作品が初の下車というから驚きです。「下車MADの映像なんて作ったこともなかったし、どうすればMADに近づくのかわからなかった。下車的な表現(特に文字アニメーション)を真似するのがあまりに難しくて、結局オリジナルの表現や全くなかった表現を追いかけることになりました。」*8ということを上記の記事でおっしゃっています。個人的にはこれが新鮮や革新的といった印象を受ける要素になったのだと思います。初めてには初めてなりの強さがあるということです。M-1グランプリ2019決勝のミルクボーイやぺこぱと同じです。

あとは余計なものを入れる大事さを学びました。例えば、関内駅のところで「熱き星たちよ」の生歌を入れるのはベイスターズファンからしたら嬉しいですが、作り手としてはそこまでする必要はないと思ってしまいます。関内駅の駅メロが「熱き星たちよ」なので、それを使えば済む話ではあります。しかし、あえて生歌を入れることで大都市横浜の生活感や空気感が伝わり、作品にダイナミックさが生まれます。これは、横浜市民の生活の中心となっているブルーラインのイメージをさらに掻き立てます。

動画にも余計なものがいろいろあります。細かく見ないとなかなか分からないのですが、作品の随所に遊び心が見えます。例えば、0:13の「まもなく1番線に」の下には英語が書いてあると思いきや...?ですし、1:21の桜木町の乗換案内のところには東急東横旧線が出てきますし、1:40には「(*^○^*)」が出てきます。一般的なネタ系音MADのようにネタを目立たせるなら分かりますが、この作品はデザインの一部としてスタイリッシュに余計な情報が出てきます。今までの常識をぶっ壊す素晴らしい作品です。

www.youtube.com

余計な情報、もとい「くだらない」情報を入れる大切さは氏のYouTubeチャンネルにて言及がありますので是非ご覧ください。

 

あまりにも凄すぎる途中下車が誕生してしまいました。私のような泡沫作者はその影響力にただ恐れ慄くのみです。こうのとり氏、雪原てとら氏の今後の下車作品が楽しみで仕方がありません。こんなに素晴らしい作品をありがとうございました。

 

9. C-Flyers!!!

今年のくろしおりさんは200マイリス以上の単作を3つ出しています。これまでの下車界隈において、1年間で200マイリス以上の単作を3つ出した人はいたのでしょうか。

この作品は、ブロマガで元ネタの解説がなされています。

ch.nicovideo.jp

過去の名下車を振り返る構成となっています。ごく最近の下車史しか履修していない僕でも知っているような作品がたくさん出てきて壮観です。「鉄道を題材とした音MAD」はよく見ますが、「大変な途中下車シリーズを題材とした音MAD」はかなり新鮮です。誰よりも強く途中下車を愛してきた方だということがよく分かります。

この作品の凄いところは、ただ名作の作風を真似しているだけではなく、少しアレンジを加えているところです。例えば最初のLCDの場面、原作では当時の旧トレインビジョンだったのに対して、今作では新トレインビジョンにアレンジされています。狂気の横浜線(ハマセン)の場面、原作では205系が夜空を走る(ハマセンでは雲の間を高速で駆け抜ける)なのに対して、今作では「飛び立つよ」という歌詞に合わせて雲の上にE233系が飛び出すような表現になっています。大変な途中下車シリーズの進化を表現しているように感じます。

後半のオリジナル部分も好きです。くろしお号が海をバックに走るシーン、風景をイラスト化するのってなかなか難しいのですが、この作品は自然に実写になじんでいて、こういったところからも長年培ってこられた技術を感じます。

この作品の「加賀屋」のところの表現を見て思ったのですが、最近下車界隈において被写体に対しての「カメラの動き」が重視されてきていますね。今までは被写体に対してカメラが静止している動画素材が多かったのですが、最近はカメラも動くことによってドラマや映画のような没入感のある動画素材が増えてきています。もちろんカメラを動かすと手振れのリスクが高くなるのですが、カメラの手振れ補正能力の改善やジンバルの導入によってほとんど克服されつつあります。年々進化していく下車作品、この点もまだまだ発展していきそうです。

 

10. Glow Map × 大変な途中下車シリーズ【鉄道M@ster】

ということで、別記事で書かせていただきます。しばらくお待ちください。

 

まとめ

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いかがでしたでしょうか。

私の2020年の下車マイリス「好きな途中下車 (2020)」には79件登録されています。まだまだ語りたい作品がたくさんありますが、今回はこのくらいにさせていただきたいと思います。冒頭でもお伝えした通り、万が一不快な表現等ございましたら即座に対応いたしますので、その場合はお手数をおかけしますが私の方までお知らせください。

2021年はどんな下車を見ることになるのでしょうか。視聴者、制作者両方の観点から楽しんでいきたいと思います。より一層盛り上げていきましょう!

 

ご覧いただきありがとうございました。

 

*1:SVO東京行ラストランの素材はSaphirDanseuseでふんだんに使っています。実はSaphirDanseuseは2020年の1月から構想があった作品で、完成まで実に10ヶ月もかかっています。詳しくは後の制作記で話します。

*2:合作の動画制作者様。

*3:この作品は大変な途中下車シリーズのタグロックがなされていないので、作者様が大変な途中下車シリーズのつもりで投稿したかどうかについては分かりません。

*4:えきねっとで池袋行のSVOを第1希望、東京行のSVOを第2希望として事前受付(いわゆるえきねっと10時打ち。)の申し込みをしたのですが、第1希望が外れて第2希望が当たりました。

*5:いわゆる"つよい"音MAD。

*6:字幕部分だけノイズが薄く、映像から浮き出ている感じがします。

*7:勿論今はアカウントなしで視聴でき、またアカウントの年齢はいくらでも詐称できるので確実な数字ではありませんが、昨今のニコニコの動きを見ると大方合っているのかなと思います。

*8:デジ学区:【鉄道MAD】『SUBWAY B.B.BLUE』うらばなし

https://digi-gak.com/2020/07/17/subwaybbblue/